夏になると気になるのが電気代ですが、暑さを我慢しすぎると熱中症の原因になったり、暑すぎて食事を作る気力がなくなったりしてしまいます。その結果、外食になってしまっては電気代を節約した意味がありません。無理なく、エアコンを上手に使って節電しながらも快適に過ごしたいものです。

効率的にエアコンを使うポイントは、「遮熱」「循環」「除湿」の3つです。

効率的にエアコンを使うポイント

「遮熱」のポイントは"窓"

夏場は、屋根や壁、床といった建物全体から入ってくる熱のうち、約78%が窓ガラス(一枚ガラス)から入ってくるというデータがあります。そのため、夏には窓に日陰を作るといった遮熱対策をするのが効果的です。

例えば、朝顔やゴーヤで作る緑のカーテンは、日陰を作るだけではなく葉が熱を吸収してくれるので、日当たりが強い窓のそばに作るのがおすすめです。今からでは間に合わない場合は、よしずやすだれ、遮光ネットで窓の外側から日陰を作るようにしましょう。

住宅の事情などでどれもできない場合は、遮光カーテンを利用して、窓から入る熱を防ぎましょう。外出時は厚手のカーテンを閉めてなるべく熱気が入り込まないようにします。

夏になって、カーテンを夏使用の薄い生地にしてしまった方は面倒でも厚手のカーテンを付け直して遮熱をしましょう。  

「循環」のポイントは"下にたまった冷気"

エアコンの設定温度は28度が基本です。「それでは涼しく感じられないから、つい設定温度を下げたくなる」という気持ちは分からなくもないのですが、その前に扇風機やサーキュレーターを併用してみてください。

冷房で冷やされた空気は下にたまります。そこで扇風機の頭を下に向けて首振り運転をすることで、下にたまった空気が動いて、その風が身体に当たることで、より涼しさを感じることができるのです。

ちなみに、28度運転の冷房に扇風機を併用した場合、冷房26度運転(単体使用)と比べて約22%の節電効果があるとも言われています。設定温度のスイッチを押す前に、扇風機のスイッチをオンにしましょう。

「湿度」のポイントは"除湿"

「湿度」が高いと体感温度も上昇します。特に日本の夏は湿気が多くなりがちですので、除湿をすると同じ温度でも体感温度が違います。湿度が15%下がると体感温度が1度下がると言うデータもあるくらい湿度と温度は重要です。

エアコンには除湿機能(ドライ)がついていますが、除湿量が多いのは「冷房運転」ですので、「除湿運転(ドライ)」よりも「冷房運転」がおすすめです。

注意点は、エアコンの除湿方式は「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2タイプがあるということです。

弱冷房除湿は、冷やして湿気を取るため、放出される風も冷房のように冷たいのですが、再熱除湿の場合は冷やした空気を再度、暖めてから放出されるので、その分電気を使うことになります。今使っているエアコンがどちらのタイプを採用しているかは、取り扱い説明書に記載されていますので、確認してから使うようにしましょう。また、除湿専用のポーダブル除湿器は本体から排熱するので、涼しさという点では期待できません。

以上3点のコツをご紹介しましたが、できることから意識づけてやってみましょう。この夏の電気料金の明細で、びっくりするくらい電気料金が高くなってしまったら、冬の暖房費も考えて、電力会社の切り替えも検討してみてはいかがでしょうか。  

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。