デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)と米国競争力協議会が発表した「2016世界製造業競争力指数」によると、米国は2020年までに中国から第1位の座を獲得し、最も製造業競争力のある国になると予想されている。また、アジア太平洋地域の影響力の上昇と、欧州やBRIC諸国の減退により、従来の製造業における強豪国の間でパワーシフトが起きていることが明らかになった。
BRIC諸国でトップ10に入るのは中国だけ
2016年の世界製造業競争力指数は、1位「中国」、2位「米国」、3位「ドイツ」、4位「日本」、5位「韓国」、6位「イギリス」、7位「台湾」、8位「メキシコ」、9位「カナダ」、10位「シンガポール」となった。
2016年現在のランキングでは、製造業で先進的で高度な製品・加工技術や素材を用いることが増えるに従い、20世紀製造業の伝統的な中心地である米国、ドイツ、日本、イギリスが競争力上位10カ国に返り咲いた。これらの国は先端製造技術に投資しており、その中心的な役割を担うのは、イノベーション、人材、エコシステムと言われている。
製造業競争力が高い国トップ10のうち、北米とアジア太平洋の2地域が主要な競争エリア。BRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)でトップ10に入るのは中国だけとなった。
2020年のランキングはどう変動する?
2020年の競争力指数ランキングについては、1位「米国」、2位は「中国」、3位「ドイツ」、4位「日本」、5位「インド」、6位「韓国」、7位「メキシコ」、8位「イギリス」、9位「台湾」、10位「カナダ」と予測されている。
現在最も製造業競争力が高い国は中国だが、今後5年間では第2位に下がると予想されている。米国は2020年までに中国から第1位の座を奪うと予想され、ドイツは現在の第3位の座を盤石にすると見込まれている。日本は2013年は10位だったが、このたびの調査では4位、2020年においても4位と予想されている。
同調査は、世界各国の製造業企業のCEO、および企業経営陣ら550名以上を対象としたアンケート結果の分析に基づいたもの。