東芝とウエスタンデジタルは27日、64層積層プロセスの3次元構造NANDフラッシュメモリ「BiCS FLASH」(BiCS3)のサンプル出荷を開始した。

製品は256Gbit(32GB)のTLC(3ビット/セル)となり、PC向けやデータセンター向けのSSD、さらにはスマートフォン、タブレット、各種メモリカードなど、幅広い製品を視野に入れ、市場のニーズに合わせて展開していく。同じく64層積層プロセスによる512Gbit(64GB)のBiCS FLASHも製品化を計画している。

64層積層プロセスを用いた3次元NANDフラッシュメモリ「BiCS FLASH」

64層積層プロセスの3次元NANDフラッシュメモリは、2016年7月に竣工した三重県・四日市市の半導体工場で製造する予定だ。回路技術やプロセスの最適化によって、チップサイズの小型化に成功。48層積層プロセスを用いた現行のBiCS FLASHと比べて、単位面積あたりのメモリ容量が約1.4倍となった。1枚のシリコンウェハーから生産されるメモリ容量も増や、ビットあたりのコスト削減も実現している。

三重県・四日市市の半導体工場においては、去る7月15日に現地で竣工式が行われた。この工場では2016年の春から48層積層プロセスの3次元NANDフラッシュメモリを製造しているが、新・第2製造棟の完成によって量産能力を大幅に強化。同時に、今回の64層積層プロセス製品をはじめ、さらなる次世代製品のロードマップも描く。