国土交通省は7月26日、東京都内の一部タクシー乗り場において、タクシー初乗り運賃を410円に引き下げる実証実験を8月5日から実施すると発表した。これにより、初乗り運賃引き下げについて周知を図るとともに、短距離のタクシー需要がどの程度拡大するか検証する。
訪日外国人の観光需要を喚起
現行の初乗り運賃は2kmまで730円だが、実験では1.059kmまで410円に設定し、237mごとに80円ずつ加算する。新橋駅東口、浅草駅前、新宿駅東口、東大病院前の4カ所のタクシー乗り場で実施し、参加車両は流し営業は行わず、前述の乗り場でのみ利用できる。実験期間は9月15日まで。
実験に参加する車両は、事業者23社から40両を選定し、車両にステッカーを表示する。また利用者に対し、タクシー利用の実態や実験に参加した感想などについてアンケートを行う。
東京都のタクシー初乗り運賃については、初乗り距離を短くして料金を引き下げるという内容の申請がなされており、現在、運賃改定手続きを進めている。同省は「東京のタクシー運賃は海外に比べて初運賃が高い水準となっている。そういったところを引き下げることにより、訪日外国人の観光需要の喚起や、高齢者の生活の足という観点から政策的な効果があるのではないかと考えている」と話している。