箱根ロープウェイは7月26日13時から、箱根町大涌谷周辺への立ち入り規制により一部区間のみ(大涌谷駅~姥子駅~桃源台駅間)の運行と代行バスの運行を全線運行に切り替える。
今回の決定は、7月22日に実施された箱根山防災協議会幹事会を踏まえたもの。火山ガス濃度測定の体制や係員の対応訓練、防災用品の配備、救護室の設置などの安全対策について評価・承認を得たことで、全線運行再開が決定された。
箱根ロープウェイは、箱根山中部の早雲山駅から芦ノ湖の湖畔にある桃源台駅までを結んでおり、箱根山の噴火警戒レベル引き上げに伴って、2015年5月6日より全線で運転を見合わせていた。同年9月11日には、箱根山の噴火警戒レベルが3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げられたことから、10月30日より姥子駅~桃源台駅の区間に限定して運転を再開。11月には火口周辺警報を解除し、噴火警戒レベルを最低の1に引き下げられた。唯一、運行されていなかった早雲山駅~大涌谷駅間の運行を2016年7月26日より再開する。
早雲山駅~大涌谷駅間(1.5km)の運行は再開となるものの、火山ガスの濃度などにより、運行を中止する場合がある。そのため、利便性確保として現在運航中の代行バスも継続する。この代行バスは早雲山駅~姥子駅~桃源台駅間で運行しており、大涌谷駅には停車しない。また、大涌谷駅舎内の売店「大涌谷 駅の店」は一部営業を再開するが、同駅舎内のレストラン「大涌谷 駅食堂」は準備が整い次第で営業を再開する。
また同社は、大涌谷火口域周辺には火山活動の影響により火山性ガスが発生しているため、アレルギー性ぜん息の人や気管支疾患の人、呼吸器(肺)疾患の人、心臓疾患の人、心臓ペースメーカーを装着している人、体調不良の人などは、早雲山駅~大涌谷駅~姥子駅間のロープウェイの利用を禁止している。加えて、感受性の高い人(妊婦や新生児・乳幼児を含む)やアレルギー体質の人、高齢者にも注意をうながしている。
同区間の利用者には安全対策として、ウェットおしぼり(口と鼻を覆うため)と4カ国語旅客配布チラシ(ウェットおしぼりの使い方を記載)を用意。また、ゴンドラ車内には応急対応キット用ボックス(酸素、水、タオル、エチケット袋など)を搭載し、全駅に救護室を設置している。
ロープウェイの営業運行時間は9時~16時で、原則的に悪天候などの場合以外は毎日運行を予定している。8月以降、月の2日間(原則、第2・第4木曜日)はロープウェイの運行中にできない点検や検査を行うため、終日ロープウェイは運休し、代行バスを運行する。なお。8月と9月は祝日と重なるため、8月4日、8月25日、9月8日、9月29日が運休日となる。