旅行業界のみならず、小売りや流通など様々な業界が"インバウンド"というフレーズに着目せずにはいられない状況を呈している。インバウンドに関連するサービスを一堂に集めたイベント「INBOUND JAPAN 2016(以降、インバウンド・ジャパン 2016)」が7月20日より東京ビッグサイトで開催された。会場には多くのビジネスパーソンが詰めかけ、最先端のソリューションに実際に手を触れて、その利便性を確かめながら品定めしていた。本稿では、各社のインバウンドソリューションを通して、最先端のICT(Information and Communications Technology)をレポートしていこう。
様々な趣向が凝らされていたデジタルサイネージ関連
会場で数多く見かけたのは、今では店舗のみならず公共交通機関などでも多く見られるデジタルサイネージ関連のソリューションだった。単に店舗の情報を配信するだけではなく、スマートフォンとの連動が可能なものや、訪日外国人向けに多言語対応されたもの、なかには仮想空間上で試着をできるものなど、様々な方向性のソリューションが展示されていた。各社様々なアプローチでインバウンド商戦を取り込むべくアイデアを絞っていたが、単に広告や情報を提供するだけではなく、インタラクティブ性を持たせることやスマートフォンとの連携などが、やはり今後のトレンドになっていきそうだ。
こちらは東芝が出展していた仮想試着システム。サイネージに組み込まれたカメラを利用し、洋服を着替える手間を必要とせずサイネージ上で試着するというもの。イベントでは、訪日外国人向けに和装の試着などが行えた |
こちらは、地図でお馴染みのゼンリンブースで展示されていた多言語地図サイネージ。既にJR九州の博多駅に導入されており、博多駅周辺の地図情報や観光スポットへのルート案内、変わりどころでは記念写真撮影が行える機能などを有していた |
リコーのデジタルサイネージは、クラウドソリューションを活用しローコストでデジタルサイネージを実現するソリューションを提案していた。HDMIあるいはUSBでディスプレイと端末を接続し、コンテンツをクラウドから受信するというもの |