俳優トム・ハンクスが主演を務め、クリント・イーストウッド監督がメガホンを取る映画『ハドソン川の奇跡』(9月24日公開)のポスタービジュアルが22日、公開された。
本作は、2009年にアメリカ・ハドソン川で起こり"奇跡"と称賛された航空機事故の生存劇に隠された真実を突きつける映画。厳冬のニューヨーク、ベテランの操縦士・サレンバーガー機長(ハンクス)は普段通り安全運転を心掛けながら飛行機に乗り込んだ。しかし、160万人が住む大都会・マンハッタンの上空で、突如全エンジンが完全停止。機体が制御不能に陥り、このままでは乗客の命はおろか、ニューヨークの街中に墜落するかもしれないという危機的状況の中、機長はハドソン川に着水させることを決断し、乗客155人全員生存という生還劇を成し遂げ、国民的英雄となった。
しかし、機長の"究極の決断"に思わぬ疑惑が。本当に不時着以外の選択肢はなかったのか、それは乗客たちを命の危機にさらす乱暴な判断ではなかったかなど世論は揺れる。さまざまな思惑が重なる中、機長は殺人未遂の罪に問われ、一夜にして英雄だった男が容疑者へ。大惨事を救ったのに、なぜ誰一人の命も落とさなかった彼が、容疑者になってしまったのか、その裏側に迫る。
公開されたポスターには、飛行機の窓越しに映る機長の姿が。遠くを見つめる彼の表情は、この先に自身を待ち受ける過酷な運命を表現しているようにも見てとれる。また「155人の命を救い、容疑者になった男」というキャッチコピーが緊張感をあおっている。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)、『フィラデルフィア』(93)で2年連続アカデミー主演男優賞を受賞し、本作で3度目の受賞を狙うハンクス。そんな彼と初タッグを組むイーストウッド監督は、74歳の時に『ミリオンダラー・ベイビー』(04)でアカデミー賞監督賞の最高年齢記録を樹立し、85歳で全世界興収600億円という自身のキャリア史上最大のヒットを記録した『アメリカン・スナイパー』(14)を手がけてきた。
精力的に活動を続けるイーストウッド監督は、「映画を撮るたびに毎回新しいことを学ぶんだ。自分についても他人についても。それが本当に楽しい」と現役で映画製作を続ける秘訣(ひけつ)を明かす。また、本作については「映画作りにはいつも違うチャレンジがある」と前置きした上で、「今回はフィクションではなく真実の物語なんだ」と明言。それゆえ、「登場人物全ての人を再現することに力を尽くした」と打ち明け、「サリー機長の人間性をしっかりと描きたかったんだ」と熱い思いを語った。
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