米Facebookは7月21日(現地時間)、開発中の大型無人ドローン「Aquila」のフルスケールの機体を用いたテスト飛行を行ったことを発表した。これまでは1/5スケールの小型な機体を用いていた。
Aquilaは、通信インフラが整わない地域に空からインターネット接続サービスを提供するための大型ドローンだ。世界中の全ての人にインターネットアクセスを提供するための活動を展開するInternet.orgの一環として立ち上げた研究チーム「Connectivity Lab」が開発に取り組んでいる。
フルスケールのAquilaは電気自動車の1/3程度の重量で、ボーイング737よりも長い翼を持つ。その翼全体に敷きつめられたソーラーパネルで発電しながら飛行する。着陸せずに最長3カ月飛行し続けられるように設計されており、60,000フィートの巡航でわずか5,000ワットしか消費しない。計画では、60,000フィートから90,000フィートの高高度を飛行し、レーザー通信とミリ波帯無線伝送システムを用いたビーム形式で、直径60マイルの範囲にインターネット接続を提供する。
今回のテスト飛行は、低高度(2,150フィート)で行われた。テストは順調に進み、予定飛行時間(30分)の3倍となる96分の飛行を行って、エアロダイナミクス、バッテリー、パワー、コントロールシステムなどのデータの収集、スタッフのトレーニングを完遂した。飛行時の消費電力は2,000ワットだった。
次回は60,000フィート以上の高高度で、より高速で長時間の飛行テストを行う。今回のテスト飛行は成功だったが、太陽光発電システムとバッテリーで夜間を含めた継続的な飛行の実現、デザインの最適化、既存のネットワークインフラと競争力のあるコストの実現といった課題を乗り越えるために、今後改良とテストを繰り返していくことになる。