多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「開発者オプション」って一般ユーザでも役立ちますか?』という質問に答えます。
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Android OSには、一種の隠し機能として「開発者オプション」が存在します。文字どおりアプリ開発者向けのオプションが集められた画面で、ごく普通の使い方をするかぎり必須ではない機能をオン/オフすることができます。Android 4.2以降デフォルトでは表示されていませんが、「設定」アプリで「端末情報」→「ソフトウェア情報」の順に画面を開き、「ビルド番号」行を計7回タップすると出現します。
開発者オプションには、一般ユーザにとっても有益な機能がいくつか存在します。開発者オプションという名称ではあるものの、それ以外のユーザも利用することが可能ですから、機能をよく理解したうえで使うべきです。
一般ユーザでも便利に使える開発者オプションの例としては、Android 5.0(Lollipop)以降にくわえられた「Wi-Fiを強制的にモバイル接続に切り替え」を挙げることができます。端末によっては「Wi-Fiハンドオーバー(積極的)」と表現されていることもありますが、働きは同じです。
このオプションを有効にすると、Wi-Fiの電波が弱いときはデフォルト設定より積極的にモバイル回線へ切り替えるようになります。Wi-Fi回線に難があると判断された場合は自動的にモバイル回線を使うようになるため、外出先の(遅い)公衆無線LANに自動接続されてしまったときのストレスが軽減されます。Wi-Fiアクセスポイントは機能しているもののインターネット回線につながっていない、という状況も回避できます。
ほかにも、「ウインドウアニメスケール」や「トランジションアニメスケール」の値を変更して描画を速めるなどの活用事例があります。端末によっては体感速度に変化がなかったり、消費電力が増えたりすることもありますから、効果を確かめながら活用するといいでしょう。