Appleは、米国時間7月7日から、iOS 10のパブリックプレビュー版を公開した。今回はそのパブリックプレビュー版に触れた感想をお伝えしていこうと思う。
iOS 10には、主要な10の新機能が存在している。6月13日のWWDC16の基調講演でそう発表され、「iOS史上最大のアップデート」とも謳われた。ただ、毎回多くの新機能が搭載されており、「史上最大」の意味するところがいまいち腑に落ちなかったところもある。
10という節目のバージョンであるからか、あるいは標準アプリを開発者にAPI開放しているからか。
実際に手元のデバイスにiOS 10パブリックプレビュー版をインストールし、再起動して使える状態になったときになって、その意味が分かった。「史上最大」の意味を、筆者はロック画面の操作方法の変更だと思うようになった。
これまでのロック画面では、基本的には画面全体、もしくは届いている通知を右から左にスワイプすることで、パスコード入力画面が現れ、入力が終わればロック解除されてホーム画面が現れる仕組みだった。ちなみにiOS 10でも、通知のスワイプは実行できる。
しかし、iOS 10からは、ロック解除のためには、「ホームボタンを押す」ことが必要となった。これまでの操作である画面を左から右へスワイプするジェスチャーは、ウィジェット画面への移行に変更された。また右から左へのスワイプはカメラ起動。ロック画面でのカメラ起動のジェスチャーも変更されている。
つまり、いままでのiPhoneで慣れていたジェスチャーでは、ロック解除が行えず、ホーム画面へのアクセスをすることはできなくなったのだ。筆者はiOS 10を導入してからも、つい癖で画面のスワイプによるロック解除を試みてしまうのだが、おそらく多くの人々も、OSアップデートによって、ロック解除のジェスチャーができなくなるストレスに見舞われることになるだろう。
さて、新たなロック解除の方法である「ホームボタンを押し込む」だが、慣れていたジェスチャーの無効化を差し引けば、非常に利にかなった操作方法である。
iPhone 5s以降のデバイスであれば、Touch IDを搭載しているため、ホームボタンを押し込む際に、登録している指を使えば、そのままロック解除が行われ、パスコードの入力をパスすることができる。しかも、iOS 10ではiPhoneを持ち上げれば画面が点灯することから、実質的な操作として、ホームボタンを押せばロック解除が済んで、ホーム画面にアクセスできる状態になるのだ。