デビュー10年以内の若手芸人が競い合うコンテスト『第37回ABCお笑いグランプリ』の決勝戦が18日、大阪・朝日放送本社で行われ、結成9年目のセルライトスパ(肥後裕之・大須賀健剛)が優勝。賞金100万円を獲得した。

『ABCお笑いグランプリ』で第37代王者に輝いたセルライトスパ(左から、肥後裕之、大須賀健剛)

今年の大会には816組がエントリーし、12組が決勝に進出。決勝は、4組ずつ3ブロックに分かれて競うファーストステージ、各ブロックのトップが優勝をかけて激突するファイナルステージの2回戦で争われた。セルライトスパは、空手大会の代表選考会に現れた場違いな男を大須賀が演じるコントで初戦を突破し、ほかのブロックを制したアイロンヘッド、大自然とファイナルステージで激突。刑事に扮した肥後が立てこもり犯を説得するなか、緊迫した空気を乱す少年を大須賀が怪演するネタで爆笑をさらい、栄冠を手にした。

昨年の『M-1グランプリ2016』では準決勝に進出するも、惜しくもファイナリスト入りを逃したセルライトスパ。大会後に行われた記者会見で大須賀は「賞レースの決勝に行くことすら今回が初めてだったので、一気に一番になれて本当にうれしい」と喜びを語り、肥後は「この優勝に恥じぬようにがんばって、『M-1』や『キングオブコント』でも優勝したい」と意気込んだ。また、ファイナルステージで対決したアイロンヘッド、大自然は大阪の「よしもと漫才劇場」とともに活動してきたメンバーとあり、大須賀は「戦うのは辛かった」と複雑な思いも吐露。「大自然とは『どっちが勝っても飲みに行こうな』と舞台裏で話していました」と明かした。

その言葉通り、優勝が決まった瞬間は「賞金で大自然と飲みに行きます」とテレビカメラに向かって宣言していた大須賀。ところが、会見で賞金の使いみちを聞かれると「リアルな話、親に借金があるので賞金で返したい」と前言をあっさり撤回。「大自然に奢るって言うてなかったっけ?」と肥後にツッコまれると「あれはテレビやったから…」とトボけてみせ、笑いを誘っていた。

一方、肥後も賞金を借金返済に充てたいとコメント。今年4月に結婚式を挙げた妻の母親に借金の肩代わりをしてもらっているそうで、「それを全部お返ししたい」と話した。さらに、妻は"社長令嬢"で、肥後の芸人活動を応援する妻の家族に「金銭面でかなり援助してもらっている」とも告白。「ただ、なかなか売れないので、嫁の家族にそろそろブチ切れられるのでは? と正直怖かったんです。なので、優勝できて助かりました(笑)」と9年目でようやく成し遂げた快挙にホッとしているようだった。