ディズニーの実写映画『ジャングル・ブック』(8月11日公開)でメガホンを取ったジョン・ファブロー監督がこのほど、同作を製作する上で重要視したポイントを明かした。
本作は、ジャングルの動物たちに育てられた人間の少年モーグリを主人公に、自然のおきてと共に雄々しく生きる者たちの愛や憎しみ、喜びや悲しみを描く物語。アメリカの週刊誌『ハリウッド・リポーター』で、「並外れた映像クオリティとまるで生きているかのような動物たちの演技が忘れられない」との言葉が送られるなど、メディアからも高く評されており、全米公開後3週連続で1位を獲得、日本でも大ヒットした『シンデレラ』(15)や『マレフィセント』(14)といった作品を超える興収を達成し、世界の注目を集めている。
『アイアンマン』をヒットに導いたことでも知られるジョンは、「アニメーション映画のように、ストーリー部門から製作を始めたんだ。ディズニー/ピクサーや、ウォルト・ディズニーがやったであろうと同じようにね」とコメント。続けて、「彼らの作るアニメーションの打率がこれだけいい理由は、実写映画の脚本に比べて、撮影を始める前にすごく多くの努力がストーリーに注がれるからなんだ。僕らはそのプロセスを大切にしようと決めていた」と明かす。
実際にこの言葉通り、スタッフたちは何度もストーリーの練り直しに尽力。ベースとなったアニメーションと、その原作となった小説を徹底的に見直し、現代だけでなく、どんな時代でも色あせない普遍的な物語を紡ぎだした。
そのストーリーに観客を引き付けるために必要となったのは、リアルな映像。スタッフらは実際のジャングルで撮影された10万枚に及ぶ写真を元に、自然の植物が持つ表情を尊重しながら自分たちの描きたいジャングルを創りだした。動物たちについても、その場にいるかのように描くため、ジョンとCG製作チームは一丸となって、膨大な映像資料を参考に、その毛並みやしぐさを研究した。
一方、製作陣は本作の撮影で自身に制限を設けたという。これについて、ジョンは「ストーリーこそが"王"なんだ」とし、「技術に任せて動物たちを人間のように振る舞わせることは簡単だが、それは違和感を与えてしまい、ストーリーへの集中力をそいでしまうんだ。そうなってしまえば、どんな映像も意味がない」と力説。「最先端の技術はその威力を見せつけるためにあるんじゃなくて、鑑賞者が没入できる"ストーリー"を描き出すためにある」と語り、さまざまな技術や努力が注がれた物語への自信を見せた。
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