日本マイクロソフトは15日、都内でSurfaceシリーズに関する情報のアップデートと今後の注力分野に関する説明会を開催した。本日から学生や文教、法人向けの各種キャンペーンを実施するほか、Surface Pro 4およびSurface Bookの参考価格を1万2,000から2万5,000円値下げすることを発表した。

日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマー&パートナーグループ担当 高橋美波氏

最初に登壇した日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマー & パートナーグループ担当 高橋美波氏は、日本国内にSurface RT登場からの3年あまりを「6~7年続けてきた気分」と振り返る。

また、Surfaceシリーズが国内PCメーカーに匹敵する「60%近い(高橋氏)」認知度を獲得したアピールしたうえで、それまでクラムシェル型PCが主体だったPC市場に、2-in-1 PCというスタイルを作り出し「どこに居てもPCを活用し、PCの使用頻度を増やすと同時に生産性を向上など日常的に使える(高橋氏)」Surfaceシリーズの存在意義を強調した。

日本マイクロソフトの調査によれば、2-in-1 PC市場の成長率は+50%、2-in-1 PC構成比は21%と、Surfaceシリーズが2-in-1 PCデバイス市場を開拓。さらにSurface Bookの存在は高額なPCが占めるプレミアム領域を活性化させたとしている。

歴代Surfaceシリーズをバックに、2-in-1 PCデバイス市場を活性化したと強調する

日本マイクロソフトの調査で興味深いのが、今回示された各数値である。高橋氏は「Surfaceシリーズは企業ユーザーが多いと思われがちだが、実はクリエイティブ用途が多い」という。Surfaceユーザー全体の58%がクリエイティブ分野で活用しているそうだ。

また、Surfaceペンの使用率は43%と思った以上に多くないが、「OneNoteによるコンテンツ共有や、メモ書きに使ってもらっている」と高橋氏は説明する。タッチ操作がメインで、昨今のキーボードに不慣れなユーザーがペン入力を活用しているのだろう。同社はSurfaceペンによる直感的な操作感を訴求し、活用シーンの増加を目指す。

Surfaceアンバサダー限定で、いくつかのアプリケーションを安価に提供する「Adobe Creative Cloud Photography Planオファー」をクリエイター施策として実施

日本マイクロソフトは以前からSurfaceシリーズの拡販として学生に注力してきたが、現在の数値は29%程度。高橋氏によればAppleのデータと同じく、若者の利用が増加傾向にあるという。

「マーケティングやエバンジェリズムの成果もありつつも、幅広く受け入れてもらっている(高橋氏)」そうだ。Surfaceシリーズを取り扱う量販店は現在9グループ、新たに上新電機やPCデポなどが加わり、約2,000ものタッチポイントを得たことになる。他方で法人分野に目を向けると法人向けリセラーは2,310社まで拡大し、企業内でのSurfaceシリーズ利用率も前年度比で約2倍まで増加している。

今後注力する分野として高橋氏は「クリエイター」「学生」「法人」という3つの区分を掲げた。まずクリエイターに関しては、プロフェッショナル以外にもハイ・アマチュアにもアプローチ。学生はSNSによる発信力もさることながら、「独自の発想によるフィードバックを受け取って、今後の戦略に反映させたい(高橋氏)」と重要な分野であると強調した。法人は現在の日本マイクロソフトが得意とするクラウドやセキュリティ分野を活用し、「エンド・トゥ・エンドで法人顧客を取り込み、ハイセキュリティなソリューションを提供したい(高橋氏)」と説明する。

日本マイクロソフト 業務執行役員 マイクロソフトデバイス戦略本部 本部長 三野達也氏

Surfaceシリーズの今後の取り組みについては、日本マイクロソフト 業務執行役員 マイクロソフトデバイス戦略本部 本部長 三野達也氏が説明した。

Surface Pro 4には手書き入力文字をテキストに変換する「MetaMoJi Note for Surface」がプリインストールされているが、さらにMetaMoJiの手書き入力アドオン「mazec3」を50%オフの400円で提供するキャンペーンを本日から開始する。

現在800円で販売中の「mazec3」がSurfaceユーザーの場合は50%オフの400円で購入可能

Windows 10 Anniversary Updateに関するデモンストレーションもいくつか披露した。こちらはWindows Inkワークスペースの「画面スケッチ」

ECサイトやオンラインバンクなどの認証もWindows Helloによる生体認証が利用できる

UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションでもWindows生体認証フレームワークは使用可能。こちらは「Dropbox」のサインイン画面

また、高橋氏が先に述べた3つの注力分野に対する施策として、販促キャンペーンを本日から実施するという。まず学生向けには、Surface Book/Surface Pro 4/Surface 3を最大42,000円(マイクロソフトストアの税抜き参考価格から算出)オフで提供。文教向けにもSurface Pro 4本体とタイプカバーのセットを通常購入参考価格より10%の割引価格で提供する。こちらはSurface 3で提供していたモデルをSurface Pro 4に適用した形だ。

学生向けキャンペーン。本日から学生は恒久的にSurfaceシリーズを安価で購入できる

文教向けキャンペーン。本体+タイプカバーのセットを安く購入できる

法人向けには、Surface Pro 4とアクセサリーを同時購入で最大1万3,000円オフで提供する。いずれも本日から実施するため、興味をお持ちの方はキャンペーンサイトで詳細を確認してほしい。

法人向けキャンペーン。アクセサリーの同時購入がお得になる

そして最大のポイントがSurface Pro 4およびSurface Bookの値下げだ。Surface Pro 4 Core i7モデルと、Surface Book 1TB搭載モデルの価格はそのまま据え置きだが、それ以外は約1割の値下げを行っている。この参考価格は前述した各種キャンペーンにも適用され、新参考価格を基にキャンペーン価格が適用される仕組みだ。

Surfaceシリーズの新参考価格

12,000~25,000円の値下げを実施し、Surface Pro 4/Surface Bookをより安く購入できる

Surface ProシリーズはPro 2が2013年10月、Pro 3が2014年6月、 Pro 4が2015年10月(いずれも米国発売時期)と毎年新モデルを発表している。そのため、2016年も何らかの新モデルが発表される可能性はあるが、現行製品が旧モデルにならない限り、これ以上安く購入できるタイミングを見つけるのは難しいだろう。現在古いSurfaceシリーズを使っている方や、クラムシェル型PCから2-in-1 PCに移行したい方はチャンスとなるはずだ。

阿久津良和(Cactus)