厚生労働省は7月12日、2015年「国民生活基礎調査の概況」を発表した。

高齢者世帯は297万円、児童のいる世帯は712万円

2014年の1世帯当たり平均所得金額は、「全世帯」が541万9,000円。また、「高齢者世帯」が297万3,000円、「児童のいる世帯」が712万9,000円となっている。

各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移

所得金額階級別世帯数の相対度数分布をみると、「200~300万円未満」が14.0%、「100~200万円未満」が13.6%及び「300~400万円未満」が13.1%と多い。

所得金額階級別世帯数の相対度数分布

中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は427万円で、平均所得金額(541万9,000円)以下の割合は61.2%。各種世帯について平均所得金額以下の割合をみると、「高齢者世帯」が91.5%、「児童のいる世帯」が38.6%だった。

世帯主の年齢階級別に1世帯当たり平均所得金額をみると、「50~59歳」が768万1,000円で最も高く、次いで「40~49歳」、「30~39歳」、最も低いのは「29歳以下」の365万3,000円。世帯人員1人当たり平均所得金額をみると、「50~59歳」が262万4,000円で最も高く、最も低いのは「29歳以下」の176万4,000円となっている。

世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たり-世帯人員1人当たり平均所得金額

児童のいる世帯について、末子の年齢階級別に所得の状況をみると、1世帯当たり平均所得金額は「15~17歳」が最も高く807万9,000円、有業人員1人当たり平均稼働所得金額は「3~5歳」が最も高く389万3,000円。1世帯当たり平均有業人員(勤め先のある人)は「15~17歳」で最も高く、2.19人となっている。

各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額をみると、全世帯では「稼働所得」が74.5%、「公的年金・恩給」が19.6%だが、高齢者世帯では「公的年金・恩給」が67.5%、「稼働所得」が20.3%。公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は55.0%となっている。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

世帯の生活意識(2015年7月16日現在)をみると、「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」)が 60.3%、「普通」が 35.9%。年次推移をみると、「苦しい」の割合はおおむね上昇傾向となっている。各種世帯の生活意識をみると、「苦しい」の割合は、「高齢者世帯」が58.0%、「児童のいる世帯」が63.5%だった。

世帯の生活意識の年次推移

世帯総数は5,036万世帯

2015年6月4日現在における全国の世帯総数は5,036万1,000世帯。世帯構造をみると、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が29.4%(1,482万世帯)で最も多く、次いで「単独世帯」が26.8%(1,351万7,000世帯)、「夫婦のみの世帯」が23.6%(1,187万2,000世帯となっている。

世帯類型をみると、「高齢者世帯」は25.2%(1,271万4,000世帯)で年次推移をみると増加傾向。また、「母子世帯」は1.6%(79万3,000世帯)だった。

15歳以上男性の就業状況は「仕事あり」が69.3%、うち正規の職員・従業員」が41.6%、「非正規の職員・従業員」が11.1%。15歳以上女性の就業状況は「仕事あり」が50.1%、うち「正規の職員・従業員」が17.8%、「非正規の職員・従業員」が23.1%となっている。