家庭生活を送る上で、無意識の内に相手に期待していることというのは、誰にもあるのではないか。口には出さずとも、「これをしてほしかった」、あるいは「してほしくなかった」と思ったことのある人も多いだろう。そんな気持ちが大きなトラブルに発展してしまう前に、最低限のルールを決めておくことは、うまいやり方かもしれない。今回は、既婚女性のマイナビニュース会員100人に「『絶対これだけは守ってほしい』と決めている夫婦のルール」を聞いてみた。

Q.「絶対これだけは守ってほしい」と決めている夫婦のルールはありますか

Q.「絶対これだけは守ってほしい」と決めている夫婦のルールはありますか
ある 32.0%
ない 68.0%

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Q.夫婦のルールはどのようなものですか。当てはまるものを選んでください(複数回答)
1位「お金に関すること」 46.9%
2位「家事・子育ての分担に関すること」 31.3%
3位「夫婦喧嘩などマイナスの関係になった時にすること」 15.6%
4位「仕事に関すること」 12.5%
4位「自分たちの子どもに関すること」 12.5%

Q.具体的にどんなことを決めて、なぜそのルールが必要だと思ったのか理由を教えてください。また、それは実際に守られているかどうか合わせてお答えください
■「お金に関すること」
・「借金(ローン)は勝手にしない。したくなったらする前にお互いに相談すること。結婚を機にひとつの家庭で共同体になったので、"もしも"、があった場合に相手に迷惑がかからないようにするため。一度、サプライズで車の買い替えをされたことがあります」(39歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「必要最低限のものしか買わない。ものが増えるとゴミになる」(33歳/神奈川県/事務・企画・経営関連/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「内緒で高利子の借金をしない。約束は守られている」(35歳/広島県/その他/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
・「旦那が再婚で、前妻との子どもの養育費は結婚前の貯金から支払い、結婚後の夫婦の稼ぎからは支出しないこと。結婚して3年以上経つが、守ってくれている」(34歳/宮城県/その他/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「お小遣い制ではないのですが、欲しいものがある時はお互い相手にプレゼンし、承諾を得られてから買うこと。実際きっちり守られているため、もめ事に発展することとはありません」(42歳/神奈川県/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「養ってもらうこと」(29歳/東京都/その他/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

■「家事・子育ての分担に関すること」
・「できることは自分でやること」(29歳/栃木県/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「家事の分担を明確に決めることにより、安定したリズムで生活を送れるから。おおむね守られていて、とても助かっています」(35歳/埼玉県/サービス/専門職関連/会社員・公務員・団体職員)
・「家事は分担する。私ばかりの負担になるから。守られていません」(28歳/和歌山県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「換気扇掃除、DIYなどは夫に任せている」(39歳/埼玉県/流通・チェーンストア/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

■「夫婦喧嘩などマイナスの関係になった時にすること」
・「喧嘩をしても同じ布団に寝ることと、次の日まで引きずらないこと。喧嘩を長引かせないため。守られてます」(38歳/佐賀県/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
・「夫婦喧嘩の後、悪いと思ったら入浴の時に背中を流す」(60歳/東京都/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

■「仕事に関すること」
・「終電に間に合うように帰宅。夜2時までに寝ること」(45歳/神奈川県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「仕事を短期間でやめてしまうから、今勤めている会社に定年まで働くように約束しています。給与明細は必ず私に渡す。お小遣い制(1万5,000円以下)。食費は3万円以下(外食含む)。安月給なので、少しでも貯金を殖やして、いざという時のために備えています」(29歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

■「自分たちの子どもに関すること」
・「お互いが叱っている時は口出ししない」(42歳/神奈川県/教育/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもたちの将来のために頑張る。子どもが成人して自立するまでは、その責任は親にあるので、過保護にならず放任ではない、"見守り"というスタンスで子どもの夢を応援することが親の役目だから。親の都合で守られないこともあるが、努力していきたいと思っている」(45歳/福島県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「朝は怒らない、叱らない→もし万が一何かあった時、どうしようもない後悔に襲われそう」(54歳/福島県/その他/その他・専業主婦等/その他)

■総評
「『絶対これだけは守ってほしい』と決めている夫婦のルール」の1位は「お金に関すること」で、半数近くの46.9%を集めた。2位は「家事・子育ての分担に関すること」で31.3%、3位「夫婦喧嘩などマイナスの関係になった時にすること」が15.6%、4位は「仕事に関すること」と「自分たちの子どもに関すること」で、共に12.5%となった。以下、6位が「記念日のお祝いなどプラスの関係のためにすること」と「お互いの家族に関すること」(各9.4%)、8位「趣味に関すること」(3.1%)と続いた。「そのほか」は9.4%だった。

1位には、やはり生活や人生設計の基本中の基本となる「お金に関すること」となった。傾向としては、夫が計画性のないお金の使い方をしてしまうことを前提に、それを防ぐためにルールを決めているという家庭が多かった。コメントにも「お金は私が管理して口を出さずに任せてもらう」など、有無を言わせぬ雰囲気も。

2位の「家事・子育ての分担に関すること」は、どうしても女性に負荷がかかりがちな項目だけに、きっちりと分担を決めておきたいという意志が感じられる。ルールは「おおむね守られており、助かっている」という声もある一方で、「守られていない」とするコメントもあった。

3位「夫婦喧嘩などマイナスの関係になった時にすること」には、「当日中に仲直りをする」「悪いと思った時には謝る」といった、喧嘩を長引かせない工夫が見られた。また、「出掛ける時は、在宅の者に一言でも声を掛けて行く」など、日常の細かな気遣いで、感情の行き違いを未然に防いでいる様子もうかがわれた。

4位「仕事に関すること」では、「仕事終わりに連絡する」「会社での飲み会や友人との約束も、その場で返事をせずに相手に承諾を得てから返事をする」するなど、仕事を言い訳にせずに、今の状況をしっかりと相手に知らせることで、理解を得るという姿勢が感じられる。同じく4位の「自分たちの子どもに関すること」では、「お茶など入れてもらったら、自分の子どもにでもきちんとありがとうと。悪いと思った時には謝る」という、子どもの人格をきちんと認めて接しているとする意見が印象的だった。

夫婦間の役割分担に関する意識が大きく変化しつつある昨今では、相手に期待することも男女で大きく異なっている。今回のアンケートの全体的な印象としては、「お互い違う環境に育っているので、それぞれの家族のルールを尊重したい」という意見に代表されるように、夫婦とは言えども個性や価値観は異なっていることを認め合う姿勢がうかがわれる。その上で最低限のルールを決め、家庭を円滑に運営していこう、という意志が感じられる結果となった。

また、決められたルールに関しては、守られているとする意見が大勢を占める一方で、中には相手がなかなかルールを守らないことに対するいらだちが感じられるコメントも見られた。お互いの不満が募り、修復不能となってからでは遅い。今回は、ルールを決めていない夫婦が68.0%と多数派となったが、パートナーの振る舞いに関して、ちょっと気にはなるものの「まあ、いいか」と思える内に、ルールを決めておくという知恵も有効かもしれない。

調査時期: 2016年5月24日~2016年5月26日
調査対象: マイナビニュース会員(既婚女性限定)
調査数: 100人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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