産労総合研究所はこのほど、「2016年度 決定初任給調査」の結果を発表した。
高校卒は前年比611円増の16万4,717円
2016年4月に入社した社員の初任給を「引き上げた」企業は前年比4.1ポイント減の33.8%となり、10年前の2006年と同水準となった。一方、「据え置いた」企業は同5.8ポイント増の63.4%、「その他」は2.1%、「無回答」は0.7%で、「引き下げた」企業はゼロ。同社は「2014年までは引き上げた企業の割合がかなり低かったが、2015年にぐっと上がり、今年はやや落ち着いた印象だ」と話している。
初任給を引き上げた理由は、「人材を確保するため」が49.0%、「在籍者のベースアップがあったため」が48.0%。一方、据え置いた理由は、「現在の水準でも十分採用できるため」が50.5%と最も高かった。
初任給額をみると、大学卒は前年比637円増の20万4,703円、高校卒は同611円増の16万4,717円。職種やコースで初任給額に格差を設けている場合、大学卒の「最も高い額」は21万2,919円、「最も低い額」は19万25円、高校卒では「最も高い額」は17万5,322円、「最も低い額」は16万4,769円と、約1~2万円の差がみられた。
新入社員の夏ボーナスを何らかの形で「支給する」企業は89.7%。支給方法は「一定額(寸志等)」が60.0%と最も多く、支給額の平均は、大学卒が前年とほぼ同額の8万8,905円、高校卒が同5,419円増の7万1,950円となった。
調査期間は2016年4月~5月、有効回答は全国1・2部上場企業と過去に回答のあった同社会員企業290社。