JR西日本は8日、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の乗車駅となる京都駅・大阪駅隣接のホテルにラウンジを開設し、下関駅にモニュメントやベンチを新設すると発表した。あわせて広島・山口エリアの立寄り駅を改修することも発表している。
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」はハイブリッド方式(ディーゼル発電機で発電した電力とバッテリーアシストによるモータ駆動)を採用した10両編成の新造車両を使用し、2017年春からの運行開始を予定している。1泊2日の片道タイプ(山陽コース下り・上り、山陰コース下り・上り)、2泊3日の周遊タイプ(山陽・山陰コース)の計5コースを用意し、それぞれのコースで立寄り観光を1日1回実施する。
周遊タイプの山陽・山陰コースと、片道タイプの山陽コース下り・山陰コース下りの始発駅は京都駅・大阪駅となる。京都駅に隣接する「ホテルグランヴィア京都」の15階(フランス料理「ラ・フルール」跡)に専用ラウンジが常設され、大阪駅隣接の「ホテルグランヴィア大阪」でも、列車出発時に20階「クリスタルルーム」をラウンジとして用意。ともに乗車前のチェックインや荷物の預かり、ドリンク・スイーツなどの提供を行う。
片道タイプの山陽コース上り・山陰コース上りの始発駅となる下関駅では、8・9番のりばにモニュメントやベンチを設置するほか、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を早期に入線させ、車内でチェックインやドリンク・スイーツなどの提供を行い、出発まで車内でくつろげるようにするという。乗車駅のラウンジやモニュメントのデザインは、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のインテリアを監修する浦一也氏が手がける。
山陽コース上り1日目の立寄り駅となる山陽本線宮島口駅、山陰コース下り2日目の立寄り駅となる山陰本線東萩駅の改修計画も発表された。東萩駅では外観・コンコースの美装化を行い、萩城下町の風景を想起させる格子やなまこ壁の装飾を施す。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」専用出入口も設置する。萩での立寄り観光の後、萩駅から乗車することも決定。大正時代の開業当時の姿を復元・保存する駅舎の風情を楽しめる。
宮島口駅では外観・コンコースに宮島をイメージした色調を取り入れ、ガラスや廿日市市産の木材を活用した美装化を行う。専用出入口も設置する。加えて、訪日外国人の利用が多い同駅の特性も踏まえ、手荷物預かり機能の強化や外国語で案内できる係員の配置などの取組みも進めるという。駅構内の売店は駅舎外に移され、「おみやげ街道」としてリニューアルオープンする予定となっている。
なお、山陽コース下り2日目に予定される岩国での立寄り観光に関して、立寄り駅は岩国駅とされていたが、同駅では現在、駅橋上化工事が進められている。そのため、工事が終了する2018年春まで、南岩国駅での乗降に変更するとのこと。