今回は、どの世代にもリーチしているザ・ビートルズをテーマにあれやこれやと比較していきたい。読者のみなさんからも「この対決、いささか乱暴な対決なのではないか?」というお叱りメールもいただいているが、概ね好感が持たれているメールが多いのでこのまま進めたい。さて今回はビートルズファンが気になりそうなところを463人の40歳以上の方々に聞いてみた。
ジョン・レノンのギター、リッケンバッカー 325とエピフォン カジノどっちが好き?
リッケンバッカー 325とは、デビューから日本公演あたりまでジョンが手にしているアレだ。小ぶりなボディでセミホロウ(ボディの中に空洞がある)なので軽量。ビートルズが当時使っていたVOXアンプにつなぐと、強烈にアタックの強い音が出る。ジョンのカッティングが際立つサウンドだった。一方、カジノは『ラバー・ソウル』(65年)以降メインで使われており、「ゲット・バック」のリードギターの甘いサウンドが印象的だろう。
意外なことに、結果はリッケンバッカーの圧勝となった。これはジョンの初期の曲が好きな人が多いと言うことなのだろうか? それともビジュアル的にジョンのイメージとしてリッケンが、読者のみなさんに焼き付いているのかもしれない。
ポール・マッカートニーのベース、カール・ヘフナー500/1とリッケンバッカー4001 どっちが好き?
ポールのベースである。こちらもポールの初期が好きか? 後期が好きか? に別れるだろう。『ヘルプ!』(65年)までがヘフナー、『ラバー・ソウル』以降がリッケンだ。『レット・イット・ビー』(70年)を除いて。僕はヘフナーもリッケンも好きだ。それではアンケートの答えじゃないだろ! という突っ込みはあるだろうが、どちらも太くて素敵な音ですよね。ヘフナーの方がほんの少し丸っこくて、軽いが基本的にポールのベースの音はデカイ。
かなり拮抗した結果になった。ポールのリッケンのイメージはなんといってもウイングスだろう。USAライブは乗りに乗っていた時期だけに、『ヴィーナス・アンド・マース』(75年)を中心に後世に残る演奏だった。
ジョージ・ハリスンのギター、グレッチ カントリージェントルマンとリッケンバッカー360/12弦どっちが好き?
ジョージはメンバーの中では比較的、多くのギターを使っているイメージがある。カントリージェントルマン、大ぶりのフルアコサイズやグレッチでもレスポール程度のデュオ・ジェット、リッケンも使うし、SG、カジノなどなど。その中でもジョージの初期では何が好きか、という質問です。
グレッチにやや軍配が上がった。リッケンの印象はなんといっても日本公演だろう。大歓声の中で弾いた「イフ・アイ・ニーデッド・サム・ワン」、12弦のエレキの音をはじめて聞いた、遠い日の思い出……。日本公演には行ってないけど。
ジョージ・ハリスンのギター、『マジカル・ミステリー・ツアー』で使っていたペイントされたストラトキャスターとオールローズのテレキャスターどっちが好き?
ジョージのストラトの印象は『マジカル・ミステリー~』(67年)もあるが、解散後だろう。白のストラトがカッコイイですね。そしてなんといっても、スライドのうまさ! ボトルネックのうまさ! クラプトンと一緒に来日した演奏では(これは現場で聞いてました)クラプトンよりうまいのではないかっ! と興奮したものです。
ストラトが勝ってしまった……。お手製ペイントギターもいいのだが、僕の予想ではやはり、『レット・イット・ビー』のルーフトップ・コンサートの印象が強いと思っていた。僕は自分で弾くならストラトの方が好きだが、ジョージのオールローズのテレキャスター(とても貴重で非常に高価、たまに流れると200万円以上!)の堅い音、フロント、リアのミックスの太いサウンドにはいまだに憧れている。
今回はここまで。使用楽器で時代が別れるバンドを再認識しましたね。次回は、ビートルズのオリジナル・アルバムの雌雄を決したい。お楽しみに。
調査時期: 2016年7月6日~8日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 40歳以上463名(男性367名 女性96名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート