フジテレビが主催する高校生を対象としたドラマコンテスト「第3回ドラマ甲子園」の受賞者が8日、東京・台場の同局本社で発表され、大賞には東京都在住の佐藤孝樹さん(17)の『変身』が選ばれた。
同賞は、高校時代が最も感受性が高く、クリエイト能力が花開く時期であると考え、1時間のドラマ脚本を募集するもの。大賞受賞作は、執筆者本人の演出でプロのスタッフがサポートし、プロの俳優が出演して、CS放送「フジテレビTWO ドラマ・アニメ」で放送される。
今回大賞を受賞した『変身』は、高校デビューを目指す主人公・祐介が、同じ中学の友人・響の力を借りて、憧れの女性・美寿々に告白するまでの紆余曲折を描く恋愛ストーリー。佐藤さんは「中高6年間男子校で生活してきて、あまり女性のことが分からないので、女の子のセリフが難しかったです」と苦労を振り返った。
それでも、テレビドラマが大好きで、「いろんなドラマを見て、自分の中でできた理想的な女性像を考えて書きました…」と顔を真っ赤にして照れながら説明。「理想を投影しすぎてて、自分でも恥ずかしいです…」と心境を吐露したが、選考委員長のフジテレビ清水賢治執行役員総合開発局長から「脚本ってそういう恥ずかしいものなんだよ。自分をさらけ出すことになるからね(笑)」と諭されていた。
今後8月に撮影を開始し、10月に放送予定だが、佐藤さんは希望するキャストを聞かれると、「僕すごい堀北真希さんが好きだったんですけど、ちょっとねぇ…妊娠されたということで…」と言葉に詰まってしまい、授賞式の会場は爆笑。あらためて「若手の堀北さん的な人に…」と、控えめに要望した。
現在高校3年生だが、「この夏は周りで受験勉強している人を尻目に、ドラマ甲子園に集中して頑張りたいです」と強い意気込み。それでも大学進学後は「テレビ局に入って、ディレクターやプロディーサーになりたいです」と将来の夢を語り、撮影では「作っている方の情熱とか、制作の過程とかが見れるだけでもうれしいです」と喜びを語っている。
なお、これまでの同賞は、1回目も2回目も、佳作を含めて全て女性が受賞してきたが、今回が佐藤さんが男性として初の受賞。佳作の2作品も男性が受賞しており、フジテレビの鹿内植氏は「かなり男性のパワーを感じる2016年でした」と講評した。