米Facebookは6日(米国時間)、オープンソースの無線アクセスプラットフォームプロジェクト「OpenCellular」を発表した。コスト効率のよいプラットフォームを構築するもので、同社が取り組んでいるインターネットアクセスの普及を推進するものと位置付けられている。

「OpenCellular」のハードウェアデバイス

Facebookは「internet.org」として、途上国などでインターネットを普及させる取り組みを展開している。2016年2月のMobile World Congressでは、「Telecom Infra Project(TIP)」という無線インフラプロジェクトを発表していた。「2015年末時点で、インターネットに接続できない人は40億人以上いる。セルラーインフラは基本的な接続性をサポートする必要があり、ブロードバンドなどの高度な機能は、いまだに世界の多くの地域で提供されていなかったり、高価であるというのが現状だ」とFacebookは述べている。

OpenCellularは2G、4G(LTE)、それにWi-Fiなど、さまざまな無線通信技術をサポートし、ボックス型のネットワーク機器からアクセスポイントまでさまざまなデバイスに実装できる。汎用のベースバンドコンピューティング(GBC)とRF(無線周波)の2つで構成され、GBCは電力供給を統合、RFにはアナログのフロントエンドを統合する。

RFボード(右から2番目)、GBCボード(右端)などシステムのコンポーネント

Facebookでは、将来的にハードウェア設計の仕様、ファームウェア、制御ソフトウェアなどをオープンソースとして公開する予定だ。これを利用して通信事業者、OEMなどは自分たちでOpenCellularをベースとした無線インフラを実装、運用できるとしている。

また、TIPメンバー各社と共同でオープンソースコミュニティを立ち上げ、OpenCellularの技術開発や認定などが進むことにも期待を寄せている。