富士フイルムは7日、レンズ交換式のミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」の新製品として、「FUJIFILM X-T2」を発表した。ボディのみと、「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」とのレンズキットを用意。9月の発売を予定しており、価格はオープン。
ローパスフィルターレスのAPS-Cサイズセンサーを内蔵するレンズ交換式のミラーレスデジタルカメラ。撮像素子には有効画素数2,430万画素のX-Trans CMOS IIIセンサー、画像処理エンジンには「X-Processor Pro」を採用した。フジノンレンズとの組み合わせにより、解像力に優れた低ノイズの撮影を可能にしている。感度はISO200~ISO12800(拡張感度時512OO)だ。「Xシリーズ」では初となる4K(3,840×2,160ドット)動画撮影にも対応した。連続撮影時間は最大約10分まで。
起動時間が約0.3秒、撮影間隔が0.17秒、シャッタータイムラグが0.045秒と、操作時のレスポンスを高速化するとともに、AFの基本性能も向上。AF測距点は91点(最大325点)に拡大しており、ファインダーの約40%(画面中央部49点)を像面位相差AFエリアとすることで、高速かつ高精度の位相差AFを実現している。本体背面には「フォーカスレバー」を搭載し、縦、横、斜めの8方向にフォーカスエリアを自在に移動可能だ。
アルゴリズムなども改善し、ライブビュー中のAFサーチ回数を増加させ、高精度の予測AFが可能となった。点光源、ローコントラスト、微細なテクスチャを持つ被写体の捕捉性能も向上している。
電子ビューファインダーは約236万画素の0.48型液晶で、ファインダー倍率は0.77倍、-4m-1~+2m-1の範囲で視度調整も行える。表示タイムラグが0.005秒と短く、表示スピードも100フレーム/秒(ブーストモード時)と滑らか。撮影データの読み込み中にライブビュー表示が一時中断するブラックアウトタイムも、従来モデルの半分以下に抑えた。なお、仕様上の連射速度は最大14コマ/秒だが、ライブビュー時での連写速度は最大5コマ/秒となる。
デザインは「FUJIFILM X-T1」のセンターファインダースタイルを踏襲。きょう体にはマグネシウム合金を使用し、防塵、防滴、耐低温-10度の耐久性を備える。液晶ディスプレイは104万画素の3.0型で、Xシリーズでは初となる3方向チルト方式を採用。横向き撮影時に上下に可動するだけでなく、縦位置でも上方向に可動させられる。
撮影機能として、フィルムシミュレーション機能「ACROS」モードを搭載。滑らかな階調と引き締まった黒によるモノクロ写真表現を可能にする。「ACROS」モードは動画撮影時にも有効だ。フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能もある。
無線LANを使った「ワイヤレス通信」機能は、スマートフォン用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」と併用することで、スマートフォンやタブレットなどからのリモート撮影のほか、写真や動画の転送、閲覧も可能だ。記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードで、UHS-II規格をサポートしている。電源にはリチウムイオン電池「NP-W126S」を用い、標準撮影枚数は約340枚だ。本体サイズはW132.5×D49.2×H91.8mm、重量は約507g(バッテリ、メモリーカード含む)。
別売りアクセサリとして、縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XT2」も同時に発売される。価格は49,000円(税別)。「FUJIFILM X-T2」と同様の防塵、防滴、耐低温-10度の耐久設計で、バッテリを2個まで内蔵可能。撮影枚数が最大約1,000枚に、4K動画の撮影時間が約30分に増強される。ブーストモード時では複数個のバッテリが同時に機能し、連写性能や撮影間隔、レリーズタイムラグ、ブラックアウトタイムなどのパフォーマンスが向上する。
そのほかにも、本革製レザーケース「BLC-XT2」、メタルハンドグリップ「MHG-XT2」、充電式バッテリなども発売される。価格(税別)は「BLC-XT2」が13,000円、「MHG-XT2」が18,000円、充電式バッテリが9,000円。