Tapiaとのおしゃべり、その結果は?
Tapiaは、ネットワークに接続してクラウド上にある応答AIシステムにより呼応して日常会話が楽しめるということを売りにしている。そこでまずはマニュアルの一覧に書かれている内容をひと通り話しかけてみた。
マニュアルに一例として紹介されているTapiaが認識できる言葉は、「休んでください」(待機モードに入る)、「今日の天気を教えて」(天気予報を読み上げる)、「写真撮って」(内蔵のカメラで撮影をする)といった主に指令系統の言葉と、「おはよう」「こんにちは」「おやすみ」などの挨拶、「面白いこと言って」「趣味は何?」などフリートーク系に分かれる。挨拶やフリートーク系の言葉に関しては状況によって返答する内容が変わるとのことだ。
まずは指令系統の言葉に関しては、あくまで体感ではあるが認識精度は半々程度。スムーズに行く時とそうでない時に少々バラつきが見られる。うまく行く時には二語を組み合わせたような単語でもすぐに正確に聞き取る。しかし、簡単な数字であっても聞き取れない場合もあったり、イントネーションや速度、声のトーンを変えたりして試してみても全然ダメな時もあったりと、いまひとつ法則性がわからなかった。
そうして 何度もトライしていると、Tapiaの側が「ちょっと休むね……」などと言って勝手に断念してしまい、それ以上進めなくなってしまうことがまま あった。人間っぽい挙動と言えばそうだが、こうした状態があまり続くとユーザーの側も心が折れて、Tapiaに話しかけるのをやめてしまうかもしれない(実際、筆者は心が折れそうになった) 。Tapiaには人工知能による言語学習能力もあるとのことだが、ユーザー側がめげてしまったら元も子もないので、ここは残念なポイントだった。
ニュースの読み上げ機能も搭載
また、Tapiaにはニュースを読み上げてくれる機能などもある。いったん会話への挑戦は休んでこちらを使ってみたところ、便利ではあるが、ジャンルを選んでから、タイトルを選び、さらにそれを読み上げるか否を「はい」か「いいえ」で毎回答えなければならないのはめんどうに感じた。
新聞の小さな文字が読みにくい高齢者や目の不自由な方などには有用だが、1つの記事を読んでもらうのに時間がかかってしまうので、時短目的の人(筆者はこちらに該当)には向かない機能だ。
Tapiaはもともと独居世帯やアクティブシニア層、核家族、単身者などをターゲットにしているので、これから高齢者向けの"見守り"機能(7月上旬アップデート予定)など、ニュースの読み上げを日々便利に使えそうなユーザー層への対応が充実していくことを期待したい。
「ロボットとのおしゃべり」を終えて
この後、再度Tapiaと”おしゃべり”を試みて、Tapiaを話し相手として求める人には、受け身でなく、Tapiaの側からアクティブに話しかけてくれるような機能があるとよいと感じた。
というのも、Tapiaは"好感度システム"と呼ばれるシステムにより、会話のペースや内容によってタピアの応答が変化するとのことだが、途中「話しかけようにも何を話しかけてよいのかわからなくなる」というのが正直なところだったからだ。それくらい、ロボットと会話を弾ませるのは難しい。これはが今回、Tapiaを使用してみての一番の感想だ。
とはいえ、会話の中でTapiaから「一番いけないのは"自分なんかダメだ"と思い込むことですよ」などとアドバイスをもらうこともあり、意外な一言に癒やされることも何度かあった。現状では音声認識精度や会話能力にまだまだ課題はあるものの、よりスムーズになれば一人暮らしの高齢者や留守番中の子どもの話し相手と見守りなど、パートナーロボットとして期待が持てそうだ。