発売直前、ハイエンド Win 10 スマホ「HP Elite x3」と周辺機器
日本HPは7月1日、2016年の夏に発売予定としているSIMフリーのWindows 10 Mobileスマートフォン「HP Elite x3」のプレス向け体験会を開催した。この端末は5.96型AMOLEDディスプレイ(2,560×1,440ピクセル)を持ち、Windows 10 Mobileスマートフォンとしてはかなりハイスペックなのが特徴だ。
HP Elite x3を水槽に沈めても動作するIP67対応の防水性をアピール。濡れた手でも操作でき、米軍調達規格「MILスペック」で規定されている高湿度環境下でも操作可能だ |
日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントソリューション本部 本部長の村上信武氏。プレゼンにもHP Elete x3を使用していた |
HP Elite x3は、2016年2月にスペインのバルセロナで開催の「Mobile World Congress」で発表されたデバイスだ。当時は細かいスペックが固まっておらず、日本での事前説明会でも一部モックアップの展示となっていた。今回試用できたHP Elite x3も最終版ではないということだが、ブラッシュアップされて性能や機能は固まっており、実際に操作することも撮影も自由と、ほぼ完成の域に達している。発表時点でのスペックは以下の通りだ。
- OS : Windows 10 Mobile
- CPU : Qualcomm Snapdragon 820
- 内蔵メモリ : 4GB(LPDDR4)
- ストレージ : 64GB(eMMC 5.1)
- 外部ストレージ : microSDXC(最大2TB)
- サイズ : W83.1×H161.2×D7.9mm
- 重量 : 約190g
- ディスプレイ : 5.96インチAMOLED
- ディスプレイ解像度 : 2,560×1,440ピクセル
- メインカメラ : 1,600万画素
- サブカメラ : 800万画素
- バッテリ容量 : 4,150mAh
- LTE : B1/B3/B8/B19/B26/B41
- Wi-Fi : IEEE802.11a/b/g/n/ac
- Bluetooth : 4.0+LE
- 防水 : IPX7
- 防塵 : IP6X
- SIMサイズ : nano
位置付けとしては企業向けのソリューション端末で、本体はIP67準拠の防塵防水性能や、虹彩認証+指紋認証という生体認証を備えている。さらにNFCを利用した認証にも対応予定となっており、企業向けのハイエンドWindows 10 Mobile機としては申し分ないスペックだろう。価格は「まだ決定していないが、内蔵ストレージが64GBのiPhoneと同じくらいにしたい」とのこと。価格優位性というよりも、既存システムとの親和性、管理性を差別化ポイントとするようだ。
「ノートドック」と「デスクドック」
ノートドックは一見するとノートPCのようだが、Windows 10 Mobileの機能「Continuum」専用となる12.5インチ液晶+キーボードで、HP Elite x3とはワイヤレスまたは有線接続で利用する。動作時間は「約20時間」と十分なスタミナを持つ。ワイヤレス接続ではHP Elite x3のバッテリが先になくなるので、有線接続も用意されている。
展示されていたノートドックは未完成とのことだが、個人的にはフルサイズのUSB端子がなく、USB Type-C×3というのが少々気になった。USBデバイスのType-C化があまり進んでいないため、しばらくの間はType-CからType-Aの変換ケーブルやアダプタが必須だ。
HP Elite x3と専用のノートドック。コンピュート機能はHP Elite x3に任せ、キーボードと液晶と大容量バッテリを搭載する |
狭額縁の12.5型液晶ディスプレイを搭載しており、かつ公称20時間の電池持ちがうれしい |
ノートドックは従来のHPロゴだが、HP Elite x3はプレミアム製品ということで新しいHPロゴになっている。HP Elite x3背面(アウトカメラ)の下には指紋センサーが配置され、インカメラ側の虹彩認証と合わせて、生体認証を2つ備えている |
ノートドック左側には、MicroHDMI端子、給電兼用USB Type-C端子、電源スイッチ、ヘッドセット端子を備える |
一方のデスクドックは、HP Elite x3をデスクトップPC的に利用するための機器。特に、オフィス環境でHP Elite x3をフルに活用するには、必須アイテムといえるだろう。給電やデータ転送だけでなく、ドック側にUSBポート×2とDisplayPort、有線LANを持っており、安定した使い勝手が期待できる。