説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Podcastってオワコンですか?』という質問に答えます。
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いえいえ、「オワコン(終わってしまったコンテンツ)」ということはありません。現在もサービスが続けられていますし、大量のコンテンツが日々追加されています。Googleが「Google Play Music」でも配信を開始する計画があるほどですから、終わるどころか「これから」の配信形態と見ることも可能でしょう。
Podcastは音声コンテンツの一種で、2005年iTunesに配信機能が搭載されたことから普及が始まりました。トークやドラマなどラジオ番組と似た構成が多く見られますが、物語の音読や落語といったコンテンツとも相性がよく、語学教材としても利用されています。保存可能なため、リスナーにとってはライブラリ化の楽しみもあります。
ただし、コンテンツを制作/配信するコストはそれなりに発生します。ラジオ局のように放送済み番組を再利用する体裁をとれば、ある程度抑えることは可能ですが、編集やサーバ運用にまつわるコストの発生は避けられません。有料配信も可能ですが、放送波では無料で聴けるコンテンツを有料化するのはなかなか困難です。広告を挿入しようにも、Podcast配信大手のAppleは聴取者層の好評を行わないため、ターゲットを絞り込みにくいという問題があります。
先日、TBSラジオが放送済みのラジオ番組のPodcast配信を6月30日で終了すると発表しました。コスト負担の大きさが理由として挙げられており、今後はストリーミング型の新サービスに移行するそうです。同じ音声のみで表現するコンテンツということで、ラジオとPodcastは相性がいいとされてきましたが、前述した問題がそのまま現実化したかのようです。
とはいえ、リスナーの属性に適した広告を挿入するシステムなど、Podcastを利用したビジネスモデルがいくつも提案されており、ここ数年ではNetflixがPodcastの制作会社を設立するといった新しい動きもあります。少なくとも「オワコン」とはいえないのではないでしょうか?