日本でiPhoneを取り扱うキャリアのうち、auのみが「CDMA2000」を採用している。この通信方式では、通信に用いる周波数帯や事業者ID(海外ローミング時)などの情報をデータベース化した「PRL(Preferred Roaming List)」を参照することで、どのネットワークに接続するかを決定する。海外渡航時に現地のローミングサービスを受けられるのも、PRLに情報が記載されているためだ。
ということは、PRLとして記録されている情報はできるだけ新しいものが望ましい。PRLには国内ネットワークに関する情報も含まれるため、新しいPRLのほうがつながりやすくなる可能性があるからだ。実際、4G(LTE)回線が普及し始めた時期には、PRLの情報が古いために3G/4Gの切り替えがスムースに行われず、PRLの更新により事態が改善されたということもあった。
iPhoneの場合、PRLはSIMカードに記録され、変更が行われた場合はキャリアアップデートなどのタイミングで更新される。しかし、iOSアップデートのように通知機能との連動はなく、知らぬ間に最新版が公開されていることも珍しくない。
そんなときは、手動でPRLをアップデートする方法がある。手順はかんたん、『電話』アプリで「#5050」にダイヤルし、通話を切断したあとしばらく待つだけでOK。数分後に「au ICカードのデータ更新が完了しました」というメッセージが現れれば、PRLのアップデートは完了だ。
なお、PRLのバージョンは『設定』→「一般」→「情報」の順に画面を開き、「キャリア」行をタップすれば確認できる。画面を開いた直後はキャリアの情報(au SIMの場合「KDDI 24.2」など)が表示されているので、見落とさないよう注意しよう。