BracketsがWeb開発者に好まれる理由の1つが、コードヒント機能だ。IDE(統合開発環境)では入力中のコードに対して、関数名などを補完する自動補完機能を備えているが、BracketsはHTML/CSS/JavaScriptに対して同様の機能を用意している。「コードヒント」と呼ばれる本機能は、「<」を入力した状態でHTMLコードを選択するリストボックスを用意し、開発者はそこから使用するコードのスペルを1文字ずつ入力していけば、自動的にコード補完が行われる仕組みだ。ちなみにリストボックスは[Ctrl]+[スペース]キーで再表示できる。
この他にもプロジェクトのルート化や、複数箇所の選択機能など便利な機能を供えているが、Bracketsは他のOSS系テキストエディターと同じく拡張機能をサポートしている。登録数は数え上げるのが難しいものの、PDF出力を行う「ExportPDF」や、HTMLファイルなどを編集しやすいように整形する「Beautify」、HTML/CSS/JavaScriptファイルの構造をアウトライン表示する「Brackets Outline List」と多岐にわたるため、ご自身の開発環境や用途に合わせて探してほしい。
テキストエディターの移行は機能もさることながら、最大の問題はショートカットキーなどのキーアサインにある。指に馴染(なじ)んだキーが違うと新しいレイアウトに慣れるまでかなりの時間を要してしまう。Bracketsも標準ショートカットキーを備えているが、keymap.jsonファイルに対して、ショートカットキーとコマンドIDを対にして記述すれば、自由に変更できる。公式WikiではSublime Text風のキーアサインを紹介されているので、Bracketsを試そうと思われた方はWikiを参考にそれまで使っていたテキストエディターのキーアサインをBracketsに適用すると移行しやすいだろう。
阿久津良和(Cactus)