三菱航空機は6月30日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第14号にて、6月のトピックスを発表。29日には三菱重工業飛島工場にて、MRJ量産初号機の胴体部品出荷式を行ったほか、5月の飛行試験機2機の初飛行に続き、今夏には3,4号機の初飛行を目指している。
飛行試験は現在、2機体制で行っており、5月31日に初飛行となった2号機でも、片エンジンでの飛行、非常用発電機の動作確認、失速試験といった安全な飛行に不可欠となる緊急時対応の確認を行い、有効な試験結果を取得できているという。また、北米へのフェリーフライトに向け、飛行領域を設計スペックまで拡大(最大速度: マッハ 0.78、最高高度: 3万9,000ft、約1万1,900m)、計器飛行(雲中など視界の悪い状態で計器に依存して飛行)対応、対地接近警報装置(空中衝突防止警報装置等の警報システムへの対応)等の試験も行っている。
モーゼスレイクフライトテストセンター(米国ワシントン州)では、飛行試験を実施するための準備が進められており、5月中旬から6月中旬にかけて現地パートナーの AeroTEC社とともに、飛行試験を模擬するドライラン(予行演習)を実施。実際に小型機を使用したフライトを行い、準備~離陸・着陸に至るフライトオペレーションや、試験項目の実施・データ取得の一連の動きをリハーサルし、段取りの確認と課題の洗い出しを行った。
三菱航空機、AeroTEC、装備品パートナーそれぞれの連携を深めつつ飛行試験開始に向けて取り組んでいくとしている。なおMRJは今後、2016年内に米国飛行試験、2017年にTC(Type Certificate: 型式証明)飛行試験、最終審査を経て2018年にANAへ初号機を納入する見通しとなっている。
6月29日には、MRJ量産初号機の胴体部品出荷式を三菱重工業飛島工場で実施。式では、製造を担当した三菱重工の工作部門と構造組立パートナー各社から、製作にあたっての苦労や完成の喜びが語られ、今後の量産と最終組立に向け"より良い飛行機をつくる"決意と思いを共有した。出荷されたMRJ胴体部品は、県営名古屋空港に隣接するMRJ最終組立工場へ搬入され、ローンチカスタマーであるANAへの納入は2018年半ばを予定しており、今後、胴体結合などの最終組み立て工程に順次着手していく。
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