こんにちは、トイアンナです。人には言えないパンドラの箱を開く本シリーズでも、一番デリケートな話題がやってまいりました。
ズバリ、「カップルの性の悩み」です。って、もうそのまんま、1ミリも隠し切れてない。
私のように人生相談をお受けしている人間には、友達や家族には相談しづらい隠れた悩みが集まるものです。その中でも性の悩みは根深いもの。
特に「性交痛」の問題は切実です。性行為のときに生じる痛みのことですが、その原因には、処女膜がつっぱる病気や、出産直後や更年期における女性ホルモンの減少などが可能性として挙げられています。今回は、性交痛についてじっくりとヒアリングし、彼氏彼女の苦悩を共有できればと思います。
結婚したいくらい好きなのに
まずは、20代後半の事務職で働く女性からのご相談です。
「彼と付き合って2年目です。彼のことは結婚したいくらい好きなのですが、"する"ときがつらいです。もともと苦手意識があったせいもあるかと思います。そのことを彼も知っていて、いろいろ気遣ってくれます。でも痛いだけです。彼とはできれば結婚したいと思っているのですが、これからも、しなきゃいけないんでしょうか」。
文面を拝見しているだけでつらくなりました。何がって、性行為を「しなきゃいけないんでしょうか」と質問するところまで相談者さんが悩んでしまったことです……。
前述したとおり、性交痛の原因には、病気や女性ホルモンの減少が関係している可能性もあります。ただ、カップル間できちんと対話が行われていないことによって起こることも多いのではないでしょうか。そもそも、伝えないと分からないという側面もあります。
「言えない」から深まるカップルの溝
そこで、彼女に「彼に痛いと言ったことはありますか? 」と質問したところ、「恥ずかしくてとても言えない」との返信が来ました。詳しく話を聞くと、「痛いって言ったら傷つけてしまいそう……。実際、元彼を傷つけてしまったことがあるんです。それで、今の彼にもどう言ったらいいか分からなくなってしまって」とのこと。
さらには、「彼は避妊もあまり積極的じゃなくて、コンドームを使ってくれないときが結構あるんですね。そういうことをされると、痛いとか以前に不安で仕方がなくて」と、痛みどころか避妊しない行為にもNOを言えない実情が浮かび上がりました。
もちろん、膣外射精は避妊法ではありませんし、コンドームは正しい使い方をしても避妊率は98%程度です(一般的な使い方では82%程度と言われてます)。きちんとした認識を持っていないと、痛みだけでなく望まない妊娠のリスクを背負うことになります。