元宝塚歌劇団の柚希礼音と赤根那奈(旧芸名は夢咲ねね)がこのほど、都内で行われたWOWOWの番組『宝塚への招待』の公開収録に登場した。宝塚のラストステージ後、2人が共演するのは今回が初となる。
宝塚の各組の公演や大劇場公演を放送している同番組。「『Dear DIAMOND!!』 -柚希礼音×赤根那奈(夢咲ねね) 副音声解説付-」と題された6月のスペシャル企画では、元星組トップスター・柚希と、元星組トップ娘役・赤根(夢咲)をゲストに迎え、副音声の公開収録を行った。
200名のファンが待ちわびる中、2人は客席から登場。ステージ上で映像を見ながら解説を加える柚希と赤根の姿をファンが見守りながら、収録が始まった。
6年間、星組のトップコンビを務めてきた柚希と赤根のラスト公演となった『Dear DIAMOND!!』は、2人にとって思い入れ深い作品。オープニングの音楽が流れると、「懐かしい!」と口をそろえ、赤根が「(映像を見ると)当時の自分に戻って、"ああ次ではこうしなきゃ"と今でも思ってしまう」と告げると、柚希も思わず「分かる!」とうなずく一幕もあった。
また毎公演終了後には、舞台袖にて2人で反省会をしていたことを告白。濃密な日々を想像させるエピソードも披露された。加えて、本編前後に放送される2人のトークコーナーも収録。退団後は夢咲から名前を変えて活動している赤根が、自己紹介をする際に思わず「夢咲ねねです」とあいさつしてNGになったり、宝塚時代のエピソードを語り合うはずが互いの愛犬トークになったりしてしまうなど、終始マイペースな進行にファンからも笑みがこぼれた。
同作で印象強い場面について赤根は、「すべてのシーンが思い出に残りすぎて」とコメント。それでも、終盤に向けて泣きそうになる赤根を見て、柚希も「もらい泣きしそうだった」と思わずこぼした。6年間の公演で「これほどまでのシンプルな振り付けはなかった」というデュエットダンスが2人共、深く心に残っていたようで、相当の自主練習を重ねて臨んでいたことを明かした。赤根が、「振りが少ないところは、長年の思いで埋めて踊らなくてはと思って踊っていました」と当時の心境を打ち明けると、ファンたちも納得の表情。柚希は、「一緒に舞台に立っていた星組のメンバーが私たちを送りだそうとしている、飛んでくる"心のパワー"みたいなものが感じられます」と見どころを挙げた。
赤根は「宝塚時代は1日24時間では足りない生活だった」と前置きしながら、「退団後は"1日ってこんなに時間があるんだ"と思いました」と笑みを浮かべながら、変化を報告。それに同意しながら柚希は、「もっと気楽になれると思っていたけれど、"元宝塚"の肩書はついてくる。退団後も発言に責任がある」との思いを口にした。
これからの活動について、「赤根那奈として新たな気持ちで目の前の公演に臨んでいきます」と話す赤根。一方、柚希は「退団後は普通に"女優さん"になるほうがいいのかと悩んだ」と吐露しながらも、「自分らしく、カッコいい女性を目指していこうと思っています」とアピールした。最後は、互いの公演を見に行く約束をしながら「いつか再び舞台で共演するのが大きな夢」という赤根に、「もちろん、共演しよう!」と柚希。ファンたちの期待の拍手が大きく鳴り響いた。
「『Dear DIAMOND!!』 -柚希礼音×赤根那奈(夢咲ねね) 副音声解説付-」は、6月25日(15:45~)WOWOWライブにて放送。