30歳未満の単身勤労世帯の消費実態をみると、男女ともに外食費が減少、惣菜などの支出が増加している。進む若者の「外食離れ」。ともすれば商機が拡大する中食・内食市場に“10分間”という付加価値を提供しようと勝負をかける企業が現れた。
10分で主菜・副菜2品の付加価値
安心安全をうたった有機、特別栽培の野菜やフルーツ、無添加加工食品などの宅配サービスを行うオイシックス。献立と人数分の材料を1セットにしておよそ20分で料理が作れることをうたった「Kit Oisix」を、2013年にからスタートさせ、累計販売数250万、定期会員数が3万人を突破し、「食×時短」ビジネスで仕事をしながら働く忙しい女性の心をつかんだ同社が、さらに踏み込んだのが10分の短縮だ。
「『20分では長い』という声から生まれた」(同社広報)という「Kit Oisix[クイック10]」は、5種類以上の野菜を使った主菜・副菜の2品が10分で作れることをうたった商品だ。
10分で作れるポイントは、各料理の手順を3工程で作れるようにしているところだ。サバのみぞれ煮であれば、サバは湯せんで温めればいいだけの状態で用意されていて、野菜を切って、レンジにかければ出来上がりだ。「できあがったものでいいのではないか」と思う人もいるだろうが、作業を残すのが同社のこだわりなのだ。