説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「SIMロック解除済iPhone」は「SIMフリーiPhone」とまったく同じ?』という質問に答えます。

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iPhone 6s/6s Plusに限っていえば、キャリアで購入したiPhoneを所定の手続きによりSIMロック解除した「SIMロック解除済iPhone」は、Apple Storeで購入した最初からSIMロックがかかっていない「SIMフリーiPhone」とまったく同じです。

数世代前のiPhone(iPhone 4S/5)は、ドコモとソフトバンクがWCDMA、auがCDMA2000と販売されるキャリアによって3Gの通信方式が異なり、ハードウェアレベルで違いがありました。だから仮にSIMロック解除できたとしても(公式には解除方法はありません)、希望するSIMカードを使えるわけではなかったのです。

一方、iPhone 5s以降のiPhoneは、日本国内で発売されるモデルが統一され、どのキャリアで購入したかにかかわらず同一のモデルとなりました。しかし、iPhone 6s/6s Plus以前はスマートフォンにSIMロック解除が義務付けられていなかったため、そもそもSIMロック解除が困難でした。

2016年6月現在、キャリアで購入したiPhone 6s/6s Plusは、購入から180日が経過すればいつでもSIMロック解除を申請できます。SIMロック解除が完了すれば、他社のSIMカードが利用できるようになりますが、動作保証があるわけではありません。

なお、SIMロック解除完了後には、購入時の携帯電話会社(それまでSIMロックしていた事業者)以外のSIMカードをセットしてアクティベーションするか、iPhoneのバックアップを作成したあと本体を初期化し、その後復元するという手続きを行わなければなりません。SIMフリーiPhoneでは不要な作業ですから、その点はSIMロック解除済iPhoneとはっきり異なるといえるでしょう。

iPhone 6s/6s Plusの場合、「SIMロック解除済iPhone」は「SIMフリーiPhone」と機能的には同じですが、そこにたどり着くまでの労力に差があります