女優・小池栄子、門脇麦らが、俳優・生田斗真が主演し『かもめ食堂』(06年)などの荻上直子監督がメガホンを取る映画『彼らが本気で編むときは、』(2017年2月25日公開)に出演することがこのほど、明らかになった。

映画『彼らが本気で編むときは、』に出演する新たな女優陣(上段:左からミムラ、田中美佐子、小池栄子 下段:左からりりィ、門脇麦)

本作は、女性として人生を再出発しようとしているトランスジェンダーと、その恋人のもとに、母親に置き去りにされた少女が引き取られてきたことから、3人が奇妙な共同生活を始める物語。3月に製作が発表された際には、トランスジェンダーのリンコ役に生田、そのパートナー・マキオ役に桐谷健太というカップリングも発表されていた。

小池と門脇に加え、新たな女優陣は田中美佐子、ミムラ、りりィの5人。小池は、マキオのめいで母親から育児放棄された小学生の少女・トモ(柿原りんか)の同級生・カイの母親のナオミを演じる。家庭環境が良いとは言えないトモに息子が近づくことに警戒心を強く抱いている母という役どころだ。門脇は、リンコの職場の同僚・佑香役。リンコと対照的に、男っぽいサバサバとした性格で、結婚を控えており、互いの人生の節目に大きな影響を与え合っている介護士だ。

「いろいろなことに切り込んだ脚本ですし、今の時代だからこそ、こういったテーマを、特に女性監督の目線で描くことが大事」と作品への感慨を話す小池。「非日常のように思えて、日常で巻き起こっている恋愛話なので、どう感じるかというのが、自分の恋愛観を見つめ直すいい機会になる」「『恋愛には寛容でいてほしい、いられる人になってほしい』と、この映画を見た人には期待します。見終わった後は、恋したくなりますよ」と自信を見せる。

一方、門脇は「脚本を読んで、今までの荻上監督の作品のテイストと少し違うなと思ったので、どういう風に撮られるのか楽しみにしていました」と振り返る。自身が演じる佑香については「『女の子っていいな』『恋するっていいな』『誰かと一緒になるっていいな』『人と人とのつながりっていいな』っていうことをリンコさんに感じさせる役」と表現。さまざまな社会問題が盛り込まれている本作だが、「どんどん人間関係が希薄になっていく社会で、一緒になるのが困難だからこそ、人間のつながりの大切さや温かさが描かれるところを見てほしい」と呼びかけている。

このほか、ミムラがマキオの姉で娘のトモを愛しながらもシングルマザーのつらさから娘を置き去りにしてしまう母・ヒロミ役を、田中がリンコの母親・フミコ役を、りりィがマキオとヒロミの母親・サユリ役を、それぞれ担当。この実力派の布陣に、荻上監督も「映画を撮影していて、『面白いな』と思う瞬間は、俳優さんが、自分の想像を超え、さらにすばらしいものを出してくれた時です。今回も面白い瞬間がたくさんあって幸せ」と喜びを口にした。

(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会