米Intelは20日(現地時間)、ドイツのフランクフルトで開催しているスーパーコンピュータ関連の国際会議「ISC(International Supercomputer Conference)2016」に合わせて、"Knights Landing"の開発コード名で知られる次世代「Xeon Phi」を発表した。2016年9月に登場し、CRAYやDELL、富士通、HP、Lenovo、NECなどのベンダから搭載システムが投入されるという。
"Knights Landing"は、これまでのISCや半導体関連の学会である「Hot Chips」などで、すでに詳細が明かされていたプロセッサ。前世代「Xeon Phi」である"Knights Corner"(開発コード名)はコプロセッサだったが、"Knights Landing"ではブート可能なx86プロセッサとして設計されている。
コア数は最大で72基。また、16GBのメモリを内蔵。490MB/sという広帯域幅を実現するほか、チップ間のインターコネクト「Omni-Path」向けのFabricチップを統合することもできる。Intelによると幅広いワークロードに対応し、シミュレーションやデータ解析、ビジュアライゼーションはもとより、機械学習についてもGPU搭載システムよりも高いパフォーマンスをは実現するとしている。
特に機械学習では、トレーニングの時間を短縮できるほか、効率的なスケーリングを可能とするという。また、推論についてもIntel MKLといたIntel CPUに最適化されたライブラリを使うことで、50倍の性能向上が見込めるという。
GPU搭載システムと比べて、トレーニング時間を短縮できるほか、効率的にスケーリングできるとしている。また推論についてもIntel MKLを使うことでOpenBlasといったライブラリよりも高速に処理できるという |
SKUは「Xeon Phi 7290」「Xeon Phi 7290」「Xeon Phi 7230」「Xeon Phi 7210」の4モデルで、コア数や動作クロック、TDPが異なる。
製品名 | コア数 | 動作クロック | 統合メモリ | 対応メモリ | TDP | 価格 |
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Xeon Phi 7290 | 72 | 1.5GHz | 16GB(7.2GT/s) | 384GB (DDR4-2400) |
245W | 6,254ドル |
Xeon Phi 7250 | 68 | 1.4GHz | 16GB(7.2GT/s) | 384GB (DDR4-2400) |
215W | 4,876ドル |
Xeon Phi 7230 | 64 | 1.3GHz | 16GB(7.2GT/s) | 384GB (DDR4-2400) |
215W | 3,710ドル |
Xeon Phi 7210 | 64 | 1.3GHz | 16GB(6.4GT/s) | 384GB (DDR4-2133) |
215W | 2,438ドル |
Fabricを統合した場合、TDPは15W、価格は278ドルプラスされる |