説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『内蔵スピーカーで通話しているとき、自分の声が聞き取りづらいと言われます!?』という質問に答えます。

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iPhone 5以降の機種は、リアカメラ(背面上部にある)とフラッシュの間に小さな穴があいています。この穴は、すぐ下に潜む小型マイクで集音するためのもので、音声通話のときに重要な役割を果たします。

自分の声を集音するには本体下部のほうが適しているのでは、と考える方もいることでしょう。確かに、本体底面のヘッドホン端子横にある小さな穴は小型マイクのもので、音声通話時に集音する目的で使用されます。さらに、ディスプレイの少し上にある受話口(横線状の凹み)内部にも、小型マイクが設置されています。iPhone 5以降の機種には、3つのマイクがあるのです。

その3つのマイクのうちリアカメラ横と受話口内部のマイクは、音声通話時は「ビームフォーミング」に利用されます。ビームフォーミングとは、2つのマイクを利用して音の発生位置(自分の話し声)を特定し、それ以外の音はできるだけ集音しないようにするノイズキャンセリング技術の一種です。底面のマイクだけでは周囲のいろいろな音も拾うため、相手にとって聞き取りにくくなることがありますが、ビームフォーミングによってクリアな音声となります。

もしリアカメラ横の穴を塞いでしまうと、ビームフォーミングに使用される小型マイクの1つが使えなくなるわけですから、自分の声の位置をうまく検出できなくなり、ノイズキャンセリングの効果は大幅に低下します。

通話時にスピーカーモードに切り替えたときは、iPhoneを机の上に置いていることでしょうから、ビームフォーミングに必要なマイク2基のうち1基は塞がれた状態となります。なにより、ビームフォーミングは耳にiPhoneをあてて通話しているときでなくては動作しません。聞き取りづらいと指摘されたときは、iPhoneを耳にあてて通話するようにしましょう。

リアカメラ/フロントカメラ横に設置されたマイクの働きにより、騒音を取り除き自分の声を聞きやすくする「ビームフォーミング」が作動します