お金を貯めたいのに、お給料日前にはいつも口座に残高が出ていないという人は、何かしらの原因があります。同じぐらいの収入なのに、お金を上手に貯められる人とそうでない人にはどんな違いがあるのでしょう? 知らず知らずのうちに貯まらない癖がついていないか、ありがちな思考や行動パターンを知って、お金が貯まらない原因を取り除きましょう。

まずは自分の生活を見直す

次の項目をチェックしてみてください。

□毎月自分の携帯代がいくらかかっているのか把握していない
□毎月外食代がいくらかかっているのか把握していない
□必要なときにその都度銀行のATMからお金をおろしている
□毎日コンビニに立ち寄ってしまう
□バーゲンセールがあるとつい予定外のものまで買ってしまう
□限定品という言葉に弱い
□安売りをしているとまとめ買いをしてしまう
□宝くじは毎回買っている

あなたはいくつ当てはまりましたか? 上記の項目で5つ以上チェックマークが付く人は要注意です。毎月無計画にお金をやりくりしている可能性があります。

まずは自分の生活を見直しましょう

お金が貯まらない人は毎月出て行く固定費に対して無頓着

家計を圧迫する大きな要因の一つが毎月必ずかかる固定支出。これは、大きいところでは住宅ローンや家賃などの住居費がありますが、これらは金額が大きいゆえにいくら払っているかの意識は持ちやすいでしょう。

でも、生命保険料や携帯スマホなどの通信費などを何にいくら払っているのかと聞かれて、すべてを即答できる人はあまりいないのでは? これらはどの家庭の家計でもかなりの比重を占めていますが、特にお金の貯まらない人は、これらの支出を全く把握していないケースがほとんどです。

こうした支出は、一つ一つがわずかでも、積み重なって予想以上の出費となっています。例えば、通信費だけを考えても、家族が4人いてそれぞれスマホを持っていれば、大手キャリアの一般的なプランに加入している場合で月々3万円ぐらいの支出になっているはず。そのほかにもWiFi契約や最近では音楽や動画のストリーミングサービス、クラウドサービスなど月額固定でかかる費用が思いのほか増えています。

これらは一度申し込むと以後はクレジットカードや口座引き落としで自動的に支払うことになるため、負担感も少なく、お金のたまらない大きな要因となってしまいます。携帯電話やスマホのサービスで初月は無料などと言われ、申し込んでそのまま継続していたり、セット割引があるからといらないサービスを契約していたりすることなどもありがちなパターン。

しっかりとお金を貯める体質になりたいなら、月々の負担はもちろん年単位でいくら出しているのかしっかりチェックして、不要なものは解約するなどこまめな見直しが必要です。

セールやお買い得品に目がない人は貯まらない

"安物買いの銭失い"とは昔から言われていることで、自分は違うと誰もが思っていますが、これもお金が貯まらない人にありがちな行動パターンの一つ。安いからとセールやバーゲンで大量に買ってしまったり、お買い得品はとりあえず確保したりするなどの行動が特徴です。同じように安いものを買って賢くお金を貯めている人もいますが、決定的に違うのは、「必要なもの」だけ安く買っているかどうかです。

お金の貯まらない人は、「欲しいもの」あるいは「あったらうれしいかも」というものが安くなっているときに飛び付きがちです。中には使うかどうかわからないけどとりあえず安いから買うという人もいます。でも、お金を貯めたいなら、安く買うものは本当に必要なものだけにするべきです。

そのためにも自分に必要なものを常日頃から意識することが大事です。自分のライフスタイルを確立している人とそうでない人で消費行動が違ってくるのは、この部分です。自分に必要なものがはっきりしていれば、いくら安くても不必要なものを買おうと思わなくなり、結果として無駄遣いがなくなります。

また、こだわりがあれば、とりあえずの間に合わせや気に入らないけど安いからといった買い物もなくなります。値が張っても納得のいくものを買って長く使えば、それだけ無駄遣いが減ることになります。

貯まらないのは予算を決めてお金を使う習慣がないから

お財布に入っているお金の分だけ無計画に使ってしまっている人はお金がいくらあっても貯まりません。予算を決めないとお金は際限なく出て行ってしまいます。この金額の範囲内でという制約があるからこそ、人はその中で何とかしようと思うもの。ですから、使う予算を決めることはとても大事なことです。 食費や教育費、レジャー費などコントロールしやすい支出は、最初に予算を決めてそれ以上使わないように自分の制限を設けることがお金を使いすぎないコツです。予算を決めるのが面倒という人は、毎月のお給料を使い道別に封筒にそれぞれ分けてお金を入れておくだけでもOK。次のお給料までにそのお金を上手にやりくりできるようになれば、自然と使いすぎを防ぐことができます。

上手に貯め体質に転換するためには、毎月貯める金額も決めて、その分の予算を真っ先に取っておくこと。積立貯蓄などで自動的に貯められるようにしておくといいでしょう。毎月1、2万円の積み立てでも、まずは継続することが大切です。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。