カシオ計算機の「Smart Outdoor Watch WSD-F10」は、OSにAndroid Wearを採用し、アウトドア用途を重視したリストデバイス、いわゆるスマートウオッチの一種だ。このWSD-F10をとことん使う体験ツアーに参加してきた。

「Smart Outdoor Watch WSD-F10」(オレンジの時計)と「Outdoor Recorder EXILIM EX-FR100」(黄色のデジタルカメラ)

WSD-F10は開発コンセプトからして特徴的だ。Android Wearデバイスではあるが、スマートフォンの小型版にとどまったり、スマートフォン連係機能だけでは使ってもらえなくなる……と考え、アウトドアという明確な活用シーンを打ち出した。米軍調達規格「MIL-STD-810G」準拠のタフネス、5気圧防水といった性能も、アウトドア使用を想定したものだ。内蔵するセンサー類は、圧力(気圧/高度)、加速度、ジャイロ、方位(磁気)で、位置情報はスマートフォン側のGPS機能を利用する(WSD-F10とスマートフォンをBluetooth接続)。いまのところ、WSD-F10をフル活用するには、Android 4.3以上のスマートフォンが必要だ。

アウトドアユースをサポートするのは、WSD-F10のプリインストールアプリ「ツール」と「アクティビティ」。ツールアプリは、「高度計算」「気圧計算」「方位計算」「日の出・日の入り時刻」「タイドグラフ」「活動グラフ」という機能を持つ。ユーザーに対しては情報を提供するだけであり、その情報をどう使うか、情報をもとにどんな判断や行動をするかは、ユーザーに委ねられる。例えば、方位を見ながら歩くルートを修正する、気圧が下がってきたら雨に備える、といった具合だ。

WSD-F10「ツール」アプリ

方位(コンパス)

高度計

気圧計

日の出・日の入り

タイドグラフ

活動グラフ

一方のアクティビティアプリは、Androidスマートフォン用アプリ「CASIO MOMENT SETTER+」と連係させて使う。登山・トレッキング、フィッシング、サイクリングという項目があり、行動ログの記録、一定の条件をもとに「補給しましょう」や「気圧下降」といった情報を、WSD-F10のディスプレイに表示する。

WSD-F10「アクティビティ」アプリ

トレッキング

フィッシング

サイクリング

Androidスマートフォンの「CASIO MOMENT SETTER+」アプリ

今回の体験ツアーはWSD-F10だけでなく、「Outdoor Recorder」をうたうカシオのデジタルカメラ「EXILIM EX-FR100」(以下、FR100)も一緒に使った。FR100は、有効1,020万画素のカメラ部と、コントローラー部(液晶モニタ)が分離合体する。IPX8・IPX6相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能があり、焦点距離16mm(35mm換算)という超広角の単焦点レンズを搭載する。カメラ部をいろいろな場所に取り付けて自動リモート撮影するなど、アクションカメラの一種といったほうがピンとくるかもしれない。

FR100は、カメラ部とコントローラー部(液晶モニタ)がセパレート式になっており、コントローラー部やスマートフォン(専用アプリ)からのリモートシャッターも可能

FR100のカメラ部は、いろいろな場所に取り付けられる(写真左・中央)。WSD-F10とも連係し、WSD-F10からもリモートシャッターを切れる

そしてここが大きなポイントなのだが、腕に巻いたWSD-F10を使って、ワイヤレスでFR100を操作できるのだ。WSD-F10の液晶モニタには、FR100のレンズがとらえている風景が写り、タップすることでシャッターを切れる。インターバル撮影(一定間隔で次々と自動撮影)の設定、開始・停止の操作も可能だ。