女優・広瀬アリスが、下山天監督がメガホンを取る映画『L-エル-』(今秋公開)で単独主演を務めることが15日、発表された。
原作は、ビジュアル系ロックバンド・Janne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト・Acid Black Cherryが、2015年にリリースした同名の4枚目のアルバム。これは、愛を探し求め続けた1人の女性"エル"の孤独で壮絶な人生をつづった物語と音楽が絡み合うコンセプト盤で、「CDショップ大賞2016」入賞作品に選出され、20万枚以上のセールスを記録するなど話題を呼んだ。また、昨年秋には物語部分が書籍化されるなど多様な展開をみせてきた。
本作は、そんな同盤のファンタジックな世界観を、最新映像技術を駆使して映画化。2016年5月下旬にクランクアップしており、広瀬はエル役として、あどけない15歳の少女時代から老婆姿まで、悲哀と波乱に満ちた人生を演じている。
原作のアルバムを聴いて、「世の中にはたくさん良い音楽があるのだと感じました」と話す広瀬。アルバムの物語部分を「ファンタジー要素が多い」と分析し、「どうなるのかなと思い撮影を楽しみにしていました」と振り返る。
撮影はオールセットで、360度グリーンバックの中で敢行。それゆえに、「完成を見ないと自分もどう出来上がるのか分からないので、今からすごく楽しみ」とうれしそうに話す。また、「衣装やメイク、全てが今の時代ではないのでとても独特な世界観」とも明言。「しっかりと"エル"という女の子の人生を一緒に歩めました」と自信を見せ、「彼女のジェットコースターのような壮絶な人生と、物語の世界観を存分に楽しめる作品」とアピールしている。
一方、原作者たるyasuは、「東宝のプロデューサーさんが、『ぜひ、このコンセプトアルバムを映画にしたいんです』と声をかけてくださいました」と映画化の背景を明かす。それを踏まえ、「難産だった『L-エル-』という作品がこんなふうに誰かの心に届き、新しいプロジェクトが動き出していくのを見ると、『L-エル-』もいつのまにか立派に巣立っていったんだな」と感慨深げ。加えて、「生みの親は確かにAcid Black Cherryですが、僕、そしてABCスタッフの手元を離れて、東宝さんや監督の下山さん、主演の広瀬アリスさんの元で今度はどんなふうに育っていくのか、僕も今から楽しみ」と期待を寄せた。
(C)2016映画「L-エル-」製作委員会