神奈川県・パシフィコ横浜国立大ホールにて12日、『機動戦士ガンダム』シリーズの世界と音楽が融合したライブイベント「ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~」が開催された。
同イベントは、TVアニメ『機動戦士ガンダムUC』原作者の福井晴敏氏と『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』脚本の隅沢克之氏が構成を手がけた、ライブ・朗読・トークで『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』から『機動戦士ガンダムUC』にいたる"宇宙世紀"の物語を紡ぐエンターテインメントショー。朗読は、キャラクターたちが劇中で描かれた当時の心境を振り返る形式となっており、ファンにとってはそれぞれのキャラクターたちの深意を知る貴重な機会となった。本稿では、エンディングについてレポートする。
第2部『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の朗読を終えた池田秀一(シャア・アズナブル役)と潘めぐみ(セイラ・マス役)はそのまま舞台へ。初めにコメントを求められた潘は「本当に胸がいっぱい」と目に涙をため、「『お母さん』と何度も呼びかけるのですが、セイラの気持ちなのに、なぜか自分の気持ちも倍にして乗ってしまいました」と語る。
一方の池田は、言葉少なに「いやあ、疲れました」と答え、「このあいだはアルテイシアを置いていってしまったのですが、今日はこうして再会し、ともに過ごすことができたのは本当にみなさんのおかげです。ありがとうございます」と、『THE ORIGIN』の世界とかけて感謝を述べた。
さらに舞台には第2部で『機動戦士ガンダムZ』主題歌「水の星へ愛をこめて」を歌った歌手の森口博子が登場。2人と初対面であるという森口は、「チラシなどではよく池田さんと共演させていただいていたので、『はじめまして』なのについ『お久しぶりです』と言いそうになってしまって」と告白する。そして3人がそろった舞台で、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の主題歌を森口が担当することが発表されると、客席からは大きな拍手が送られた。
拍手を受けた森口は、「『ガンダム』は、歌手・森口博子を生んでくれた、そしてたくさんの方と出会うことができた、人生を変えてくれた作品です」と感謝を語り、アニメ映画『機動戦士ガンダムF91』主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」を披露した。
フィナーレでは、会場全員が立ち上がり、「ジーク・ジオン」の5回大合唱。この日のために作られたという特別映像に登場したジオン公国総帥ギレン・ザビ(CV.銀河万丈)が「奮起せよ! 我と我が戦線に加われ!」と号令をかけてスタートした合唱は、モニターに「我が国民よ!」「奮起せよ!」などギレンの名言が表示されるたびに力強さを増し、5回目の「ジーク・ジオン」とともに会場が一つになったところで、大盛況のうちにイベントは終了した。
会場に設置された展示ゾーンには、最新作品の制作資料や「ガンダムのミリタリズム」をテーマにした原画、設定などの蔵出し資料、『機動戦士ガンダム』の名場面のセル画、『機動戦士ガンダムZ』CDジャケットイラスト、『逆襲のシャア』LDジャケットイラストなど、宇宙世紀作品の制作過程で作られた貴重な資料が多数展示され、イベント終了後にもファンが長い列を作っていた。
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