米Appleは13日(米国時間)、開発者向け会議「WWDC 2016」の基調講演を行い、最新のiOSやWatch OSなどを発表した。本稿では、基調講演で発表された情報をまとめて紹介する。なお、詳細については追って報告する。
今回で27回目となったWWDCは、米国フロリダ州オーランドで発生した銃乱射事件に対する黙祷からスタート。その後、App Storeの状況を報告し、各OSの最新バージョンなどについて次々と発表していった。
watchOS 3
Apple Watch向けOSの最新版となる「watchOS 3」が発表された。アプリの起動が前OSと比較して7倍速くなっているほか、ディスプレイを下からスワイプすることでコントロールセンターを呼び出せるようになった。「アクティビティ」にも深呼吸のリズムやペースを測定する新要素「BREATHE」が追加されている。
主な新機能
- 英語と中国語に対応した手書き入力をサポート
- ミニー・マウスなどのウオッチフェイスを追加
- ウオッチフェイスにアクティビティのステータスが表示可能に
- アクティビティの共有機能「Activity sharing」追加
- 車いすユーザー向けのアクティビティ機能追加
tvOS
Apple TV向けOS「tvOS」の最新版では、iPhoneをリモコンとして利用できるようになる。また、多数の専用ゲームアプリなどが今夏公開されるという。
主な新機能
- iPhoneがApple TVのリモコンに(加速度センサーも利用可能)
- Siriの強化
- ライブ中継や通常のテレビ放送も視聴可能に
- 1回の認証がすべてのアプリに適用される「Single Sign-on」機能追加
- アプリ画面などを録画できる「ReplayKit」機能追加
- HomeKitとの連携強化
macOS
Mac向けのOS「OS X」は名称が「macOS」に変更となった。新バージョンのコードネームは米国カルフォルニア州の山脈「Sierra」と名付けられている。機能面ではSiriに対応した。
主な新機能
- 自動的にブラウザなどのキャッシュを削除する機能
- Apple Payに対応
- iOSのtouchIDでApple Payの認証が可能
- 「Picture in Picture」の強化。動画などを見ながら別の作業が可能となった
iOS
今回のWWDC基調講演で最も時間が費やされたのが、iPhone、iPad向けOSの最新バージョン「iOS 10」の発表だった。「メッセージ」アプリをはじめとする、多数のアプリに大幅な機能拡充が行われている。また、SiriのAPIをサードパーティへ開放することもアナウンスされた。
「写真」アプリ
- 写真の撮影位置を「地図」アプリに表示する機能
- 被写体の顔を認識してタグ付けし、自動でアルバムを作成する機能
「地図」アプリ
- ナビ機能も含めた全体デザインの刷新
- 近隣検索機能の追加
- ユーザーの検索履歴などからおススメのスポットを提案する機能
「Apple Music」
- 全体のデザイン刷新
- 歌詞の表示が可能に
- For You/Connect/Radio機能の強化
「電話」アプリ
- 留守電メッセージをSiriがテキスト化
- 「電話」アプリ以外の通話(LINEなど)でも発信者の情報をロック画面に表示
「メッセージ」アプリ
- 絵文字の3倍拡大モードを追加
- 絵文字の予測変換機能を追加
- チャットの吹き出しに演出を加えられる機能
- 手書き文字や鼓動の送受信が可能に
- 「メッセージ」アプリのAPIをサードパーティへ開放
その他
- 端末を持ち上げるとスリープから解除される機能
- コントロールセンターのデザイン刷新
- 3D Touchの機能強化
- 作成している文章の文脈から入力単語を予測する「QuickType」機能
- 「Live Photos」の編集機能
- iPad版「Safari」での画面分割
- 「News」アプリのデザイン刷新