帰宅の際、ちょっとつかれたからゆったりと、と思う人は多いはずだ。そんな場合、定期券でも別に特急券やライナー券を買って乗車できる列車に乗るのがおすすめだ。
チケットレス乗車できる首都圏の列車は?
JR東日本の予約サービス「えきねっと」で「えきねっとチケットレスサービス」が利用できる特急列車には「ひたち」「ときわ」「スワローあかぎ」「あかぎ」「成田エクスプレス」がある。また、JR東日本系列のクレジットカード・ビューカードを持っていれば、「中央ライナー」「青梅ライナー」にチケットレスで乗車することができる(「えきねっとライナー券予約」)。
「成田エクスプレス」の大半を除き、定期券でも乗車することができる。
チケットレス乗車の方法は?
「えきねっとチケットレスサービス」「えきねっとライナー券予約」を使うには、どうするのか。
「えきねっとチケットレスサービス」は、あらかじめ「えきねっと」に登録したうえで、スマートフォン、もしくは携帯電話の「えきねっと」のページにアクセスし(パソコンでは不可)、「チケットレス申込」のメニューから申し込む。どの列車に乗るかなどを決めて申し込んだのち、購入完了画面の「画面メモ」をスマートフォン・携帯電話に保存する。同じころ、購入完了メールが届く。この場合、携帯電話会社のメールアドレスが使用できることが条件となる。
駅の券売機や窓口で指定席特急券を受け取る必要はなく、普段から使っているSuicaの定期乗車券を使って、そのままホームに行けばよい。しかも、列車出発時刻まで申し込むことができる。5分くらい前にホームに行ってその存在に気づいても、すぐに乗ることができる。
「えきねっとライナー券予約」もほぼ同様だ。画面を保存し、携帯電話会社のメールアドレスあてにメールが届く。ただしこの場合は、ビューカードでの支払いが必須だ。
チケットレスで安くなるのか?
「ひたち」「ときわ」「スワローあかぎ」は、列車内での購入よりも、乗車直前でも事前に購入すれば、特急料金が安くなる。たとえば、50キロまでなら事前購入で750円、車内で購入すれば1,010円となる。100キロまでなら1,000円、1,260円だ。しかし、「えきねっとチケットレスサービス」では、事前購入の特急料金よりも100円割引になる。なお「成田エクスプレス」では200円、「あかぎ」では300円割引になる。「えきねっとライナー券予約」では、安くはならない。
帰宅に便利な列車の特徴は?
まず、特急列車なので、特急用の車両が使われている。席の座り心地は、普通列車のグリーン車とだいたい同じだ。「中央ライナー」「青梅ライナー」は、中央線の特急車両が使用されている。
つぎに、停車駅が帰宅客に便利に設定されている。列車によって多少のちがいはあるものの、「スワローあかぎ」は大宮のような主要駅だけではなく、赤羽や浦和、上尾・桶川・北本・鴻巣などの駅にも停車する。「ひたち」は上野を出ると土浦・水戸まで停車しないものの、「ときわ」は柏に停車するだけではなく、列車によっては佐貫~土浦間の各駅に停車し、土浦より先も石岡や友部などこまめに停車していく。これらの列車は、帰宅利用に便利なように、多くの駅に停車している。
では、「中央ライナー」「青梅ライナー」はどうか。東京駅から出発し、新宿を出ると立川駅までノンストップ。「中央ライナー」は八王子に停車し、高尾へ着く。「青梅ライナー」は拝島・河辺と停車、青梅まで向かう。もっとも、特急各列車に比べると、距離は短い。
「成田エクスプレス」の定期券利用
「成田エクスプレス」の場合、千葉駅と成田駅に停車する列車で定期券による利用ができる。また、成田エクスプレス38号以降の成田空港発の列車は、東京~大船間で定期券による利用ができ、チケットレスサービスも使用できる。また、この区間では料金券のみの「えきねっとトクだ値」が設定されており、えきねっとで予約して5分前までに発券すれば安く乗ることができる。東京~大船間で通常期820円だ。
遠距離通勤の人は、これらの列車を有効活用することにより、仕事での疲れをいやし、明日への活力としていただきたい。
※価格はすべて税込
著者プロフィール: 小林拓矢
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。
※写真と本文は関係ありません