USB Type-CコネクタからのDisplayPort出力対応を強化
ビデオエレクトロニクス規格協会(以下、VESA)は米国時間の6月8日、USB Type-CコネクタとDisplayPort Altarnative Mode規格に対応した製品の早期認定プログラムを正式に開始したことを発表。6月9日、都内で説明会が開かれた。
DPロゴの付いたUSB Type-Cコネクタ。このコネクタを使えば、USBとDisplayPort両方が利用できる |
早期認証プログラムのパイロット版で認定された機器群。左はデルのノートPC、右はASUSのモバイルディスプレイ |
同じくパイロット版で認定された機器。LGの液晶ディスプレイ、Windows Phoneとドッキングステーション |
USBとDisplayPort、両方の検証機関認定を受けているGRL社の検証環境。手前のUSB DPコントローラーはGRLの製品だ |
説明を行ったJim Choate氏によると、現在最新のDisplayPort 1.4規格は1リンクあたり8.1Gbpsの転送能力があり、将来の8Kモニタにも対応できる。データ圧縮(DSC)、エラー訂正(FEC)、拡張マルチストリーム(MST)機能もサポートしているだけでなく、従来製品との互換性も保たれているという。また、DisplayPortは、VESAのメンバー企業にライセンス料なしで提供されていることもメリットに挙げた。
従来、DisplayPortは二種類のコネクタ(標準サイズとミニサイズ)で接続されていたが、DisplayPort Altarnative Modeは、USB Type-Cコネクタを使用する。規格そのものは2014年9月に発表されていたものの、なかなか普及が進まなかった。今回の早期製品認定プログラムは、包括的な検証プログラムを使うことによって、短期間で製品開発が行える。
すでにパイロットプログラムがスタートしており、IntelのSkylakeリファレンスデザイン、デルやHPのタブレットおよびノートPC、LGやASUSのディスプレイ、Startech社のドッキングベイなどで実績を出している。2016年中には、数十の追加認証を行う予定とのことだ。また、製品ごとの互換性テストを行う「PlugTestイベント」を2015年に3回実施し、2016年も同じく3回を予定。製品間の相互運用性を、VESA自体がサポートしている。
DisplayPort 1.4の特徴。動画の圧縮や転送エラー訂正などが1.3から加わり、認定製品は2016年中に登場が期待されている |
相互運用性をチェックするイベントは2015年に3回、2016年も3回を予定。2016年はDisplayPort 1.4とDisplayPort Alternate Mode over USB Type-Cのテストが含まれる |
USB Type-Cのコネクタの説明。USB 2.0とUSB 3.x(またはDisplayPort Alternate Mode)がそれぞれ2つ入り、電源ピンも4つに強化。ホストとデバイスで同じコネクタが使える |
USB Type-CコネクタでDisplayPort Alternate Modeを使うと、モバイル機器のコネクタ数も減らせる |
今回の説明会には、検証を行う企業のGRL社も登壇。GRL社の機器とWindowsベースのデジタルオシロスコープを併用した、テスト環境と手順について説明があった。
GRLのDisplayPort Alternate Mode over USB Type-C認定作業は現在、台湾のラボを中心に作業しているが、米国(サンタクララ)、インド、日本(横浜)のテストラボでも可能。将来的には、GRLの全ラボで認定可能にしたいと述べた。
USB Type-Cはシンプルなユーザー体験を得ることができる一方、規格そのものは複雑で、テストも大変であるという |
GRL社は20年にわたってテスト環境を開発してきただけでなく、高速バス規格の制定から関わっているのが強みだそうだ |