グーグルは、米国時間の5月18日より実施された「Google I/O」で、パーソナルアシスタント機能を搭載したスピーカー型のホームデバイス「Google Home」を発表した。グーグルがGooghe Homeを発表し、スマートホーム事業への本格進出に向けた姿勢を見せたのには、人工知能(AI)の進化と、アマゾンの存在がある。
話しかけるだけで家電も操作できるGoogle Home
5月18日(現地時間)に開催されたグーグルの開発者向けイベント「Google I/O」。この中では、人工知能を活用した新しい音声アシスタント「Google Assistant」や、Androidの新バージョン「Android N」や、その上で動作する仮想現実(VR)プラットフォームの「Daydream」など、今年もいくつかの大きな発表がなされた。
一方で、ハードウェア面に関する発表はあまり多くなかったのだが、その中でも大きな発表となったのが「Google Home」である。Google Homeは、その名前の通り家庭内に設置して利用するデバイス。外観は小型のスピーカーのようであり、もちろん音楽を聴いて楽しむこともできるのだが、Google Homeの中心となる機能はそこではない。
グーグルはAndroidで、「OK,Google」と話しかけることで音声による操作ができる仕組みを備えている。その機能だけを抽出して独立化したのが、Google Homeといえるだろう。それゆえGoogle Homeは、家の中で「OK,Google」と話しかけた後、声で今日の天気やスケジュール、交通情報を確認したり、ホテルやレストランを探したり、知りたいことを訪ねたりすると、必要な情報を自動的に探し、声で答えてくれるのだ。
そしてもう1つ、Google Homeの大きな特徴となるのが、話しかけることで家電機器を制御できることだ。Google Homeが自宅内の家電のハブとなり、Google Homeに話しかけるだけで、リモコン操作することなく照明やエアコン、テレビなどさまざまな家電を制御してくれるのである。
つまりGoogle Homeは、音声によるアシスタントだけでなく、スマートホームを実現するためのハブとしても機能する、家庭用デバイスなのである。確かにグーグルは、部屋の温度を調節するサーモスタットを開発するネストを2014年に買収するなど、スマートホームの分野に以前から力を入れていたが、なぜこのタイミングで、Google Homeを発表するに至ったのだろうか。