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出産後の母体は、思った以上のダメージを受けています。また、授乳というこれから始まる「大役」に備えて、出産直後は効率的に栄養素をとっておきたいものです。どんな栄養が必要なのでしょうか? エームサービスで管理栄養士をされている西山英子さんに、お話を伺いました。
―出産直後、意識して摂取すべき栄養素について教えて下さい
代表的なものとしては、亜鉛、葉酸などがあります。このうち、今日は葉酸についてお話ししましょう。
ダメージを受けた子宮の回復に役立つ葉酸
―葉酸とは、どんな栄養素で、摂取するとどんな効果がありますか?
葉酸は葉野菜、豆類、レバーなどに多く含まれるビタミンB群の1種です。細胞の増殖、臓器の形成に不可欠の栄養素で、妊娠中に必要な栄養素として厚生労働省が推奨している栄養素としても有名です。
産後でダメージを受けている子宮の回復を手助けする効果があります。また、貧血予防の効果があるのも嬉しいですね。母乳は血液から作られていますから。
出産後は通常の1.4倍の葉酸が必要
―葉酸の必要量を教えて下さい
厚生労働省が出した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、18歳~40歳の授乳中の女性の場合、必要量は280μg(推奨量は340μg)となっています。
ちなみに、非妊娠時の場合、18歳~40歳の女性の必要量は200μg(推奨量は240μg)です。通常の1.4倍もの量が必要なことからも、出産直後の女性にいかに必要な栄養素なのかがわかりますね。
葉酸を多くとれる食品
―葉酸を多くとれる食品を教えて下さい
葉酸を多くとれる食品は、納豆、大豆、ごま、くるみ、ピーナッツ、ほうれん草、小松菜、レバーなどです。
具体的な数字で言うと、納豆1パック(50g)で葉酸55μg、焼き鳥(鶏レバー)1本で葉酸260μg、青汁100gで葉酸820μgです。
葉酸を多く摂取できる簡単レシピ
―葉酸を多く摂取できるレシピを教えて下さい
ほうれん草のごま和えがオススメですね。1人分で、葉酸80μgを摂取できます。
・材料
ほうれん草 60g / すりごま 適宜 / しょうゆ、さとう 適宜
・作り方
(1)ほうれん草は食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯で茹でる。
(2)ボウルにほうれん草を入れ、すりごま、しょうゆ、砂糖を加え混ぜ合わせたら完成。
葉酸を多く摂取できる間食
―葉酸を多く摂取できる間食を教えて下さい
オススメはピーナッツですね。ピーナッツ20gで、葉酸42μgがとれます。間食にはピッタリです。
―ありがとうございました
取材協力
西山英子さん(エームサービス 管理栄養士)。給食事業を受託するエームサービス内の研究・開発部署で、イベントの企画・開発や栄養指導などの業務に携わる。
筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)
1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。HP「主婦er」にて、主婦生活に役立つ情報を発信中。とりわけ、マネーワークショップを主宰することで「家計運営の基盤づくりの啓蒙」に力をいれている。