お笑い芸人の小籔千豊(42)が、7日に放送されたフジテレビ系情報番組『ノンストップ!』(毎週月~金9:50~11:25)で、"絵本のマイルド化"を批判した。

小籔千豊

この日は、ブタとオオカミの立場を逆転させた絵本『3びきの かわいい オオカミ』(冨山房)を特集。同書は現在品切れの書店もあり、大手通販サイトでは最大1カ月待ちという人気ぶり。発売されたのは1994年とかなり前だが、最近ツイッターの感想がきっかけで人気に火がつき、2週間ほどで6,000部を発行したという。

同書は3匹のオオカミが親元を離れて自立していく話。そんなオオカミたちをことあるごとに邪魔するのが、手段を選ばないバイオレンス大豚だ。オオカミたちがせっせと建てたレンガの家はハンマーで打ち砕き、コンクリートの家は電気ドリルで破壊。鋼の家になると、今度はダイナマイトを使って吹き飛ばしてしまう。

同番組では絵本情報サイト「絵本ナビ」の意見をもとに、同書の人気の背景には「絵本のマイルド化」があると解説。『桃太郎』では「"鬼退治"が暴力的過ぎる」という声を受けて結末を「鬼と話し合いの末で解決」とし、『さるかに合戦』の敵討ちは「教育上問題」という指摘から「猿は反省して平和に暮らす」という結末に改変され、こういった流れと逆行する"過激さ"が同書にはあるという。

小籔は『桃太郎』の結末を改悪と受けとめ、「なんじゃそら! やっつけ! 解決するかそんなもん!」と意見。「世の中でマイルドにしていくのは絵本だけですか? ハードボイルドのやつもあれば三島由紀夫の『金閣寺』も。『金閣寺』は金閣寺を燃やす話ですやん? そんないっぱいありますからね。何を言うとんねんという話ですよ」と主張し、「何やったら、絵本をそういうふうにしようか言うた人を、僕が退治しに行きましょか? 向こうは話し合いで来るでしょうけどね」と臨戦態勢で、スタジオの笑いを誘った。

また、同書の"過激さ"には「子どもにメッセージを伝えにくい……」と困惑しつつも、「オオカミだけが悪いと思ってしまうのは間違いで、豚が悪い場合もある」と立場を変えることによって気づくことがあるという点で評価をしていた。