水資源が豊富で上水道普及率が9割を超える日本は、水道水を直接飲むことができる数少ない国の1つだ。それと同時に、水道水の殺菌に塩素が使用されていることから、塩素臭(カルキ臭)が気になる人は日本人であっても少なくない。
そんな日本の水道水を、外国から来た人はどのように思っているのだろうか。日本在住の外国人20人に「日本の水道水」について聞いてみたので、その中から気になる回答を紹介しよう。
Q. 日本の水道水はどうですか? 母国での具体例とあわせて教えてください
■そのまま飲めてよい・きれいで安心できる
・「日本の水道水はすごくおいしいです。エジプトのインフラは残念ながら整備されていないため、水道水はたまに変な味や香りがします」(エジプト/20代中盤/男性)
・「水道水は飲料可という事で驚きました。これはうれしいことであって、母国では生の水道水は飲まないほうがよい」(ブラジル/40代前半/女性)
・「日本の水道水はそのまま飲んでもよいぐらいきれいだと思います。変な味もしません。母国の水道水は決して飲んではいけません。調理する時に水道水の使用は控えます」(ウクライナ/20代中盤/女性)
・「地元では水道水は飲めませんから、琵琶湖のおいしい水はうれしいです」(イタリア/30代前半/男性)
・「おいしくて、清潔だと思います。母国では地域によって水質が違います。飲み水は一般的に水を買って飲んでいます(井戸水などは別ですが)」(トルコ/40代前半/男性)
・「おいしいです。母国は茶色の水道水になっているので、飲まない」(マレーシア/30中盤/女性)
・「飲めるほどきれいでいいなと思う。フィリピンでは絶対に水道水を飲んではいけません。みんなそのせいで、ジュースとコーラばかり飲みます」(フィリピン/30代中盤/女性)
・「水道水はきれいで、お湯を沸かしたポットもずっときれいです。お水を直接飲むこともできます。母国ではとても無理です」(ポーランド/30代前半/女性)
・「とても安心感があると思います。台湾の水道水はそのまま飲めません」(台湾/40代後半/女性)
■塩素臭が気になる・あまりおいしくない
・「日本では普通に飲む人が多いのでビックリしました。実際飲んでみると、塩素の臭いが気になりますし、まずかったです。韓国も水道水を飲むことができますが、実際飲む人は少ないです。韓国は大体どこの家も浄水器を持っていて、定期的に消毒とフィルター交換をしてくれるサービスを使います」(韓国/30代前半/女性)
・「味としてはカナダの方がおいしいと思いますが、シャワーなどとして使う分には別になんとも思いません。きれいなお水です」(カナダ/30代前半/女性)
・「そのままの飲めるとは言われていましたが、いつも沸かしてから飲むか、お水を買っています。香港の水道水は沸かしてから飲んでいました」(香港/20代後半/女性)
・「地域によって違いますが、東京の水道水があまりおいしくないです。シンガポールの水道水もおいしくないです」(シンガポール/20代後半/男性)
■その他
・「日本の水道について文句はありません。ありがたいことに母国とは違い、水道を止められると近所から知らせてもらいます」(スペイン/30代前半/男性)
・「オーストラリアも浄水されますが、日本の技術は蛇口から飲用水を提供できる」(オーストラリア/30代後半/男性)
■総評
今回のアンケートでは、水道水をそのまま飲めることを評価している外国人は20人中18人いた。だが、その18人の中には「塩素の臭いが気になる」「あまりおいしくない」と思っている人も存在していた。
逆に、「おいしい」と評価している人は、自国の水道水を直接飲むことができない国から来た人が多かった。中には、「母国は茶色の水道水になってる」(マレーシア/30中盤/女性)、「調理する時に水道水の使用を控えます」(ウクライナ/20代中盤/女性)というコメントもあり、飲むだけではなく調理にも使用できない国もあるようだ。
私たちの多くは生まれたときから当たり前のように水道水を飲んでいるが、その「当たり前」にもっと感謝をすべきなのかもしれない。
調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート
※写真と本文は関係ありません