JR東日本が7月16日から小田原~伊豆急下田間で運行開始する予定の新たなリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」。"食"をテーマとして打ち出しており、このほど車内で提供される料理を中心としたメディアカンファレンスが行われた。

651系をリニューアルしたリゾート列車「伊豆クレイル」(2016年4月撮影)

「伊豆クレイル」は伊豆の景色を眺めながら"食とお酒、会話"を楽しむリゾート列車として運転される。メディアカンファレンスでは、JR東日本横浜支社長の平野邦彦氏、伊豆急行取締役社長の小林秀樹氏をはじめ、沿線の小田原駅・真鶴駅・湯河原駅・熱海駅・伊東駅の駅長も登壇。車内で楽しんでもらうため、「わざとスピードを落とし、"あえてゆっくり行く"リゾート列車」であることが説明された。

この新しいリゾート列車は、651系をリニューアルした4両編成で、1・3号車の座席は食事や飲み物などをセットにしたびゅう旅行商品として発売される。4号車は乗車券・指定券の購入で乗車可能。2号車にはバーカウンターやラウンジが設置される。

メディアカンファレンスでは、オリジナルユニフォーム姿の車内アテンダントも登場

「伊豆クレイル」で提供される「クレイルスタイル・サマーランチセット」

「伊豆クレイル」において目玉となるのが、1号車・3号車で提供される料理だ。女性に人気というフレンチレストラン「モルソー」(東京・目黒)のオーナーシェフ、秋元さくら氏の監修によるもので、往路ではワンボックスランチにスイーツと飲み物、復路ではライトミール&スイーツのアソートと飲み物を楽しめる。会場に試食も用意され、見た目の華やかさとおいしさに、女性記者たちから歓声が上がるほどだった。

「伊豆クレイル」のプレゼンテーションでは、沿線の小田原駅・真鶴駅・湯河原駅・熱海駅・伊東駅の駅長も登壇

往路の「クレイルスタイル・サマーランチセット」

復路の「クレイルスタイル・アフタヌーンカフェセット」

往路の「クレイルスタイル・サマーランチセット」のメニューは、「ローストビーフとグラタンドフィノア」「伊豆沖獲れ白身魚と野菜のエスカベーシュ押し麦とラタトゥイユを詰めたコンキリオーニ」「ワサビ香る冷製フラン」「伊豆野菜を包み込んだバロティーヌ」「伊豆温泉メロンと生ハムのオードブル ピクルスを添えて」「駿河湾の桜えびと枝豆のクリームコロッケ」「ニューサマーオレンジとカカオのクラフティ」「杏仁のババロアとマンゴーソース」「伊豆クラフトビールまたはソフトドリンク」「コーヒー」「ミネラルウォーター」とのこと。

一方、復路の「クレイルスタイル・アフタヌーンカフェセット」のメニューは、「伊豆下田港水揚げ金目鯛のコンフィ ラタトゥイユを添えて」「駿河湾の桜えびとベーコンのキッシュ」「富士湧水ポークのボロニアソーセージを使ったカンパーニュサンドイッチ ワサビの風味」「伊豆稲取ニューサマーオレンジプリン」「ブルーベリーを使ったチーズケーキ」「静岡県産抹茶のシュークリーム」「スパークリングワインまたはソフトドリンク」「コーヒー」「ミネラルウォーター」となっている。

トークセッションに登壇した秋元シェフは、女性をターゲットに、伊豆の食材をふんだんに使ったメニューを考えたと明かし、往路の「クレイルスタイル・サマーランチセット」は「女性の心をわしづかみにする、バリエーション豊かでボリューミーな仕上がりに」、復路の「クレイルスタイル・アフタヌーンカフェセット」は「私もお酒が大好きなのですが、お茶だけでなくてお酒も一緒に楽しめるように」なっていると話した。

料理を監修した秋元さくらシェフ(写真右)

(写真左から)片之坂亨氏、土屋真氏、相山洋明氏

往路の「クレイルスタイル・サマーランチセット」の料理制作を担当したのは、湘南のフレンチ店「アッシュ×エム」のオーナー、相山洋明氏。蓋を開けた瞬間に「わーっ」と声があがるように、彩りなどに気を配ったという。復路の「クレイルスタイル・アフタヌーンカフェセット」の料理制作を担当した「伊豆今井浜東急ホテル」料理長の片之坂亨氏、シェフパティシエの土屋真氏も、桜えびやニューサマーオレンジといった地元食材の風味を活かそうと工夫を重ねたそうだ。

2号車のバーカウンターでは、沿線のスナックやフードメニューが用意される。とくに目を引くのが、箱根で人気の「箱根ベーカリー」が手がける「伊豆クレイルオリジナルブールサンド」だ。パンの中身をくりぬいた器に、サンドイッチやディップが入っている。また、バーカウンターには地産品ショップ「のもの」も設けられ、伊豆の特産品や伝統的な食材が並べられるという。バーカウンターや料理の提供などに活躍する車内アテンダントも、「伊豆クレイル」オリジナルユニフォーム姿で雰囲気たっぷりだ。

2号車のバーカウンターで販売されるオリジナルフードやスナック

バーカウンターで伊豆の地産品も販売される

「伊豆クレイル」の1号車・3号車での日帰りや宿泊が企画されたびゅう旅行商品は、6月3日14時より販売開始されている。JR東日本のリゾート列車「伊豆クレイル」は7月16日以降、9月まで土日祝日の運行が予定されている。