ウディ・アレン監督が、自身がメガホンを取った『教授のおかしな妄想殺人』(6月11日公開)に出演する女優エマ・ストーンの魅力を語った。
本作は、「人はなぜ生きるのか?」というテーマをはらむダーク・コメディ。『her/世界でひとつの彼女』のホアキン・フェニックスが哲学教授エイブ役で主演し、奇抜なストーリー展開の中に人間の不条理さと滑稽さが入り交じったウディ監督流の皮肉なユーモアが描かれる。エマが演じるのは、ヒロインの女子大生ジル。ウディ監督の前作『マジック・イン・ムーンライト』(15年)からの続投で、前作では見られなかったかわいらしい現代ファッションを披露している。
ウディ監督の作品に出演し、脚光を浴びた女優は多い。70年代で代表的な人物は、ダイアン・キートン。彼女はウディ監督と5年ほどの交際期間を経て、破局後も監督の名を知らしめた『アニー・ホール』(78年)など多くの作品に登場した。90年代までは『ハンナとその姉妹』(87年)などに出演し、ダイアンと同じくパートナーとしても知られていたミア・ファロー、そして2000年代は『タロットカード殺人事件』(06年)などのスカーレット・ヨハンソンや、『ローマでアモーレ』(12年)などのペネロペ・クルスらが、ウディ監督の心を打つ演技を見せ、映画賞を受賞してきた。
エマもまた、ウディ監督を魅了する実力を持った女優として、注目されている。アレンは、そんなエマを「知性がにじみ出ている」と絶賛。「演技の幅の広さは驚異的だ。必要に応じて、とてもコミカルにも、極めてドラマチックにも演じることができる」とその才能を評価している。
また、本作でジルの恋敵となる科学教授リタを演じるパーカー・ポージーは、「ウディが描く女性たちはちょっと風変わりで複雑で躍動感にあふれてる」と分析。「映画監督なんて大勢いるわよね」と前置きしつつ、「でも実際にそんな女性像を映画の中で描ける監督は少ないわ」とし、本作への出演を「本当にうれしかった」と喜んだ。なお、パーカーはウディ監督の次回作『Cafe Society』(原題)にも出演しており、新たなウディ・アレンファミリーとして期待されている。
Photo by Sabrina Lantos (C) 2015 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.