俳優・オダギリジョーが主演し、山下敦弘監督がメガホンを取る映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)の特報映像が2日、公開された。
原作は、映画化されてきた『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志氏による「函館三部作」の同名タイトルの最終章(『黄金の服』に収録)。主人公は、家庭を顧みず妻に見限られ、故郷の北海道・函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら暮らしている男・白岩(オダギリ)。彼はある日、訓練校の仲間にキャバクラへ連れて行かれ、風変わりな若いホステス・聡(蒼井優)と出会い、強く引かれていく。
特報の冒頭では、白岩と聡が、自転車に2人乗りして函館の夜を駆ける場面からスタート。聡が持っている白い羽をゆっくりと手放し、2人は甘い時間に浸る。続けて、聡はダンスも披露。白岩と聡が激しくぶつかり合うシーンや、薄紫色の夕空を眺めながら涙を流す聡、港で立ち尽くし泣き崩れる白岩の様子も映され、生々しい恋愛模様を垣間見ることができる。
さらに終盤では、2人の満面の笑みと共に「美しく 壊れかけた 男と女の物語」のコピーが躍り、オダギリによる「こんな空っぽな俺だけど愛させてくれないか」とのナレーションが。最後には、虚空を見やる白岩の表情が映し出される。全編にわたって、バグパイプの音色が傷ついた2人を穏やかに包んでいる。
(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会