ASUSTeK Computerのブースでは、30日発表された同社初のロボット「Zenbo」を見ることができた。来場者からの注目も大きいZenboだが、出てくるのは1日3回のデモのみで、ブースでの展示は無かった。初日1回目のデモを見てきたので、ここで早速レポートしたい。
Zenboのスペックなどについて、詳細は教えてもらえなかったのだが、身長は60cm、体重は9kgとのこと。球形のボディに、タッチパネル画面付きの頭部が乗っており、手足は無い。なお、Zenboの"性別"は男だそうだ。
移動には本体の両側にあるホイールを利用する。障害物を検知するセンサーも付いており、人や物に衝突しそうなときは自分で止まることができる。Zenboは自己位置の推定も行っており、バッテリが残り少なくなったら、自動で充電ステーションの場所まで戻り、充電することが可能だという。
利用者とのコミュニケーションは、基本的に音声ベースとなる。「Hey Zenbo!」と言うとコマンド待ちの状態になるので、そこでZenboに指示を出すと、音声認識によりそれを理解してくれる。顔がタッチパネルになっているので、補助的なユーザーインタフェースとして利用することも可能。このあたりはソフトバンクの「Pepper」に似ている。
プラットフォームはAndroidを採用しているとのことなので、音声認識や画像認識などの機能は、おそらく既存のAndroidライブラリをかなり活用しているものと思われる。Androidであれば、Zenboの開発期間を短縮できるし、外部の大勢の開発者を呼び込むこともできる。ASUSにとっては、一石二鳥で合理的な判断だ。
ロボットがコモディティ化していく中で、重要になってくるのはアプリケーションだ。同社はZenboのWEBサイトにて、開発者向けプログラムを開始。登録した開発者には、無償でSDKを提供する。アプリケーションを充実させ、Zenboの販売促進に繋げる考えだ。なおZenboの価格は599ドルとすでに公表されているが、発売時期は未定。
ASUSブースのデモに登場したZenbo。会話で指示を出して、テレビをつける |
音声認識に失敗することも。ちゃんと音声認識機能を使っているということだ |
簡単なプログラミングも可能なようだ。ブロック型の言語のように見える |