農林水産省は5月31日、生乳生産の状況及び今後の見通しを踏まえ、業務用のバター6,000トン(生乳換算7万4,040トン)、脱脂粉乳2,000トン(同1万2,960トン)、加糖練乳500トン(同3,345トン)を追加輸入すると発表した。バターの追加輸入は3年連続となる。
九州エリアは一部熊本地震の影響も
年末のバター需要期における安定的な供給、夏の気象状況などによる生産減の可能性を考慮し、農畜産業振興機構による追加輸入を実施する。また熊本地震の影響により、製造工場が一時操業を停止した加糖練乳についても追加輸入する。
生乳生産者などで構成するJミルクは同日、2016年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しを発表。それによると、国産バターの生産量は前年比3.4%減の6万4,000トン、需要量は同0.9%増の7万5,500トンと予測し、当初の輸入分7,000トンを加えても、4,500トン不足すると試算している。農水省は今回の追加輸入により不足分を埋め合わせる予定だ。
生乳生産量は前年度比1.0%減の733万2,000トンを見込んでいる。Jミルクは「酪農家の減少で牛の頭数が減っている」と説明。1月の見通し(737万4,000トン)より減少した要因については、「牛の頭数の減少などのほか、一部熊本地震の影響等もあり、九州エリアで数字が下がっている」と分析している。